足利市民プラザ(あしかがフラワーパークプラザ)で、8月9日に足利八木節女前Japanによるデビューライブ以来の単独自主公演が開催された。
『足利八木節女前Japan』は、2019年8月11日栃木県初の女性たちによる八木節チームとして、歌手の小田えつこさん(昨年『とちぎ未来大使』に就任)をチームリーダーに結成され、現在サポートメンバーも含め40名の会員で活動している。
足利出身の小田さんは、幼い頃から八木節に接しており、常々足利八木節の注目度をあげたいと考えていた。同市で想いを共有してくれそうな八木節未経験者の仲間を募り、2019年同チームを結成。しかし、わずか半年でコロナ禍となり、思うような活動が出来ない状態が続いた。その後2021年に足利市民会館閉館に伴う事業の一環「足利市民見学会」で同チームの演舞が披露され、『足利八木節女前Japan』の名前が、約1,000人の来場者に知られることとなった。以来、2023年G7日光 女性活躍担当大臣会合歓迎レセプションに出演するなど、様々な形で公演を行なっている。
今回の公演はメンバー30名による2部構成で、1部は同チームがつくりだす圧巻の、足利八木節オリジナルパフォーマンス。続いて、あしかが華楽利来(からりこ)による足利音頭の舞踊が行われ、来場者も座ったままで振り付けを楽しんでいた。さらに八木節の演舞が始まると、同チームのトレードマーク「女豹」があしらわれた団扇を手にした観客が踊りの輪に加わり、まつりムード全開で盛り上がっていた。
2部は、メンバーによるライオンキングのテーマソング「サークル・オブ・ライフ」の演奏と歌唱でスタート。会場の空気が和んだところで「小田えつこ歌謡ショー」が始まり、3曲を熱唱するミニライブとなった。2曲目ではメンバーの一人が歌に合わせてフラダンスを披露。小田さんの歌唱に花を添えていた。ミニライブの後は、同チームのテーマソングで、あの郷ひろみが歌う『2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-』に合わせて、オリジナル手ぬぐいを使ったパフォーマンスが繰り広げられた。歌詞の「ジャパン!」の声に合わせ手ぬぐいが宙に舞い、客席からも声と手ぬぐいが飛んだ。プログラムの終わりは、同チームが用意した景品が50名に当たる抽選会が行われ、会場中が沸いた。
公演の最後は小田さんが「足利八木節女前Japanは、足利八木節を通し、伝統文化を通し、皆様方に愛と希望と楽しい時間をお届けできるよう精一杯活動して参ります。」の言葉で結んだ。

公演直後・小田さんインタビュー



Q,今回の公演が終わった感想は
「終わっちゃって寂しい。寝ても醒めてもこの公演のことだけだったので。」
Q,7周年目の単独自主公演ですね
「コロナ禍でできなかったことが、6年経ってやっと世の中も動けるようになり、今回の開催に繋がりました。その間私たちも成長しており、今の『足利八木節女前Japan』を観て欲しいとの思いがありました。さらに自ら企画運営する自主公演は、メンバーたちの成長にも繋がります。
それにしても、メンバー皆頑張りましたよ。家庭や仕事を持ちながら、工夫して練習の時間を作り参加し、動画を観て各自で自主練もしていたようです。そうやって頑張らないと、あれだけのパフォーマンスはできないと思います。」


Q,準備は1年間、命がけで取り組んだとのことですが
「フォーメーションも何もかも今回の公演のための特別なものです。スタートから30分間、切れ間なく動き続けています。八木節だけで30分、観ている方を飽きさせない構成を組みました。」
Q,『7年目の本気』ということですね
「そうなんです!3年目の浮気ってありますけど、それを乗り越えて。うちは7年目の本気です!」
Q,今後の展望は
「郷土芸能のあり方を新しい切り口で、八木節という素材を使ってどう料理できるかと考えています。八木節を新しい見せ方で伝えていく、そこに新しい文化が生まれるのだと思います。私たちがチャレンジし続けることで、観てくださった方が『自分もチャレンジしてみよう』と思っていただけたらいいですね。また、栃木県民の郷土愛のスイッチを入れることができればとも思います。八木節をベースに活動していますが、これを超えた先にあるモノを届けていきたいです。」

「メンバーは、年齢もスキルも差のある人たちの集団ですが、ワンチームとしてまとまればこれだけのことができる。私はこれが市民力だと思います。一人ひとりは微力でも、団結すれば大きな力になります。今公演もそこを観ていただけたと感じています。私たちが足利で活動する意味もそこにあります。そして、私たちが足利の外に行き『足利にはこんな自由な伝統芸能があります、そのルーツを知りたければ足利へ…』これらを広める役割も担って行きたいと思っています。」