11月1~9日、足利市内14か所の会場に、28組のアーティストが作品を展示。まちを巡りながらアートと出会うまつり『路地まちアートランブル』が行われた。
同アートランブルは2021年に初回が開催され、2023年に2回目、今回は3回目となる。路地まちアートランブル2025実行委員会・委員長を務める小沢智恵子さんに話を聞いた。

同アートランブルのスタートは、私が以前住んでいた埼玉県松伏町で行った、まち歩きをしながらアート作品との出会いを楽しむ、同アートランブルの前身「CON展」でした。その後縁あって、足利市の旧松村写真館の松村隆一さんと出会い、当時の写真館を会場にアート作品を展示しました。ここから少しずつスタイルを変え、今に至っています。
まちの路地の文化を大切に思い、路地にひかりをあてたいとの思いをコンセプトにしています。また、足利を訪れた人がまちを気に入り、移住をしたり、会場となった古民家をリノベーションして事務所として利活用するなど、地域資源の発掘やまちの魅力の発信につなげることもできました。アート作品との出会いだけでなく、人と人の出会いの場にもなっています。
今回の新しい試みに、音と舞踊によるユニット2組のパフォーマンスがありました。仮装した踊り手が太鼓と鐘と共に石畳通り周辺を練り歩く<混沌の首 練り歩きパフォーマンス>と、提灯や灯りを身に纏いパフォーマンスをする<提灯舞踏>です。多くの方に興味を持って観ていただけたようです。
さらに、アーティストでは初めて、海外からの参加がありました。カザフスタン出身のアリッサ・アボレンツェヴァさん(22歳)とチェコ共和国出身のドミニク・ドラゴス・ポフルツカさん(26歳)の若者2人です。きっかけは、彼等を知る知人からの紹介でした。2人とも初めての来日で、足利市に20日間滞在し、当地をとても気に入ってくれたようです。徒歩やバスを乗り継ぎ、あちこちを散策し、古民家や山や森といった自然にも興味を持ったようです。



この2人もそうですが、アーティストは文化や思想・宗教の違いもあり、表現のスタイルもさまざまです。多くの場合、自分の作品を知ってもらうこと、そこから何かを感じてもらうことを大切にしているのだと思います。
準備から関わってきて『これは素晴らしい』と思う瞬間に何度も立ち会いました。それは経年劣化の激しい古民家がアートの力で蘇ったときです。埃をかぶった建物を掃除し、そこに作品を配置すると、全く別の空間に生まれ変わります。アートにはさまざまな力があると信じることができます。
今、世界の至る所で発生している問題も決して人ごとではなく、この路地が全ての人が一緒に輝けるきっかけになることを祈っています。
同アートランブルの次回の開催も、刻々と変化を遂げていく足利市と市民の皆さんにご協力をいただき、進化させていきたいと考えております。






展示会場の庭の松や柊の樹々に惹かれ、タイトルを《水と風の道》としました。人は土と生きています。庭とこの家から水と風の流れを感じます。






