晩秋の葡萄畑で、ワインと音楽と料理を愉しむ 第42回 ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭

 山々が色付きはじめた11月15・16日、ココ・ファーム・ワイナリー(足利市田島町611)で、第42回収穫祭が開催された。当日は天候にも恵まれ、2日間で約8,000人(主催者発表)が訪れ、ワインと音楽と料理に酔いしれていた。

 1950年代、足利市の特殊学級の中学生たちとその担任教師の川田昇氏によって、山の急斜面に葡萄畑が開墾された。そして1969年、葡萄畑の麓に指定障害者支援施設こころみ学園が創設された。1980年には、こころみ学園園長 川田昇氏と賛同者によって有限会社ココ・ファーム・ワイナリーが設立され、1984年、園生らも活躍する同ワイナリーでココワインが誕生した。

今年もにぎわう収穫祭会場(総合案内付近)
味や香りが刻々変わる生きている<できたてワイン>
ワインコーナーには、ココワインがズラリ

 同収穫祭の一番のおすすめは、会場でのみ味わえる<できたてワイン>。酵母が生きている微発泡のフレッシュでフルーティなワイン。軽やかな飲み心地で、このワインを目当てに来場するファンも多い。
 また、ワインに合う料理も魅力の一つ。骨付きソーセージ、アヒージョ、生ハム、チーズプレート、メキシカンチキンなどが、フードコート広場や葡萄畑下の各所で、食欲をそそる匂いを立ちのぼらせていた。
 さらに、ベランダステージで行われる演奏が会場を包む。スペシャルゲストとして、世界的に活躍中のヴァイオリニスト 古澤巖、サックス奏者 坂田明らのアーティストが登場し、祭りの雰囲気を一層盛り上げる。
 そしてこのステージの横では、地元の足利コミュニティFM『FM DAMONO』の生放送が行われ、FMの電波に乗せて収穫祭の様子が臨場感たっぷりに伝えられていた。

女性3人組はワインと料理をゲットしてこの笑顔!
ヴィンヤードクラブのシェフたちが腕を振るった料理(フードコート)
FM ADAMONO 生放送!会場からパーソナリティが収穫祭を丸ごとお届け

 収穫祭の初日、同ワイナリー製造部の鎌坂林太朗さんに話を聞いた。

 「収穫祭の目玉はやはりできたてワインです。発酵中の生きているワインはここでしか味わえませんから。今年のワインは酸味も甘味も程よくて、バランスがいい状態です。果実味をしっかり感じることができ、味、香り共に良いものになりました。

 これまでもシステムを変えながら、試行錯誤を繰り返し42回の収穫祭を迎えました。リピーターとして訪れてくれる方々や、毎回制作している収穫祭缶バッジのコレクターの方、皆さんの笑顔を見ていると、一年間頑張ってよかったと心から思います。」と、にこやかに語ってくれた。
 同会場の葡萄畑がある山の頂上では、毎年グラスを片手に眼下に広がる景色とワインを堪能している人たちがいる。今年もここで話を聞いた。
 「バスをチャーターして東京から50人ほどできました。頂上組はこの8人です。この収穫祭参加の主催者は日本酒の製造に携わってる方です。我々は初参加で、自営業が多く職種もバラバラ。お酒好きの集まりといった感じです。この景色も収穫祭の雰囲気も素晴らしいです。何と言ってもできたてワインは最高ですね。美味しいです!」
 「伊勢崎市から来ました。夫婦で5回目の参加です。いつもこの頂上まで来て景色とワインを愉しんでいます。」
 「飲み友達の2人です。10回は来ています。ワインと料理と音楽と景色と全てが揃っている!特に古澤巖さんのファンとしては、ここは最高です。」

 晩秋の青空の下、それぞれの笑顔が特別な一日を満喫していることを教えてくれた。

葡萄畑のある山の頂上から見た足利市内の眺望
葡萄畑に現れる天使、誕生の瞬間です
ハーベストキットを手にした鎌坂林太朗さん
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この記事を書いた人

松尾幸子のアバター 松尾幸子 minimu 編集人・ライター

タウン情報誌の編集を経て、minimu 創刊号(2024年1月号)より、フリーの編集人・ライターとして活動中。地域の皆さんに良質で明るい情報を届けるべく、編集・取材を続けています。
逆境には強いが涙腺は弱い。スポーツジムが憩いの場です。
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