宇都宮大学の学生がリノベーションを手掛けた足利市、名草地区の入り口、名草下町にある旧酒店を東京と足利市の2地域で生活する布施美紀さん(42)、太郎さん(51)夫妻が引き継ぎ、来春「名草日用品店」と名付けた店を始めていくことになった。11月3日にはテストオープンを実施。地元の人たちを中心に市民らが次々と店を訪れた。
市と同大学は名草地区を対象に2021年度から里山地域活性化事業を実施。その過程で、空き家となっていた旧酒店「喜久屋」を借り受け、学生たちが家財撤去や清掃、リノベーションを行い、同事業での研究成果を発表する場などとして活用してきた。
一方、2地域生活を検討していた布施さん夫妻は美紀さんが足利生まれということもあり、市の移住交流イベントなどに参加し、2年前、空き家バンクに登録されていた通一丁目の古民家を購入し、古民家カフェをオープンさせた。
さらに里山地域の魅力にひかれたこともあり、イベントで喜久屋の存在と学生によるリノベーションを知り、それを引き継ぐ形で店を開設する気持ちを固めた。
テストオープン初回は名草特産のひとつユズを使った商品やコーヒーなどを販売。今後は月1回程度テストオープンを行い、来春の正式オープンを目指す。布施さん夫妻は「正式オープン後、土日は必ず開いているようにしたい」とし「地域の人たちにぶらりと立ち寄ってもらえる場所にしたい。加えて名草の魅力を知ってもらう体験型プログラムの実施や宿泊施設としての活用も考えています」と構想を口にしていた。


