国宝も風通す・秋の風物詩「曝書」はじまる・史跡足利学校

 足利市昌平町の史跡足利学校で恒例の曝書(ばくしょ)が11月上旬まで行われている。蔵書している貴重な古書を守り、後世に伝えていくため、風を通して湿気を取ることや保存状態を確認することが目的。江戸時代から行われてきたという記録があり、同市の秋の風物詩にもなっている。
 曝書は書物の虫干しとして毎年10~11月にかけて、書物にダメージを与えないよう「雨天でないこと」「湿度が40~70%以内」などの条件が整った日に実施している。
 今年の初回となった10月3日には実施場所の復原建物内の書院で敷き紙の上に古書を並べ、職員が慎重にページをめくりながら綴(と)じ糸の状態やカビなどの傷みがないかなどをていねいに確認。また、入れ物である桐箱の清掃も行い、一連の作業を終えたのち、箱に戻した。
 同日は国宝「周易注疏(しゅうえきちゅうそ)」や「高橋泥船遺書」など6種76冊を対象とした。「足利」をテーマにコンクール用の写真撮影を行っている白鷗大足利高校写真部の生徒4人も訪れ、真剣な表情でシャッターを切っていた。
 同学校では国宝77冊、国重要文化財98冊、市指定重要文化財727冊を含む約1万7900冊を所蔵しており、今年は約716冊の曝書を予定している。今後は10月14、17、21、24、28、31日と11月3、7日の午前10時から午後2時半ごろに実施を予定。ただし、条件にそぐわな場合は行わない。

足利市の秋の風物詩「曝書」が行われている(足利市昌平町、史跡足利学校で)
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桐生タイムス社(本社・群馬県桐生市)の足利市担当記者が日々の取材活動を通して、お知らせしたいこと、伝えたいことを紹介していきます。取材して記事化したものを渡良瀬通信ブロードキャスト(下記)とminimu、桐生タイムス紙面で随時紹介していきます。

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