「こんなに大きなフェスになるなんて!私が一番驚いています。」とは、ASHIKAGA MUSIC GARDEN実行委員長の長明美さんである。足利初の「自然と音楽が織りなす一体感」をテーマとした大型音楽フェスが、6月1日あしかがフラワーパークにて開催される。同フェスの発起人である長さんに話を聞いた。
『ASHIKAGA MUSIC GARDEN ’25』のチケット販売が公表されるやいなや、栃木県民限定超早割、一般早割は即完売となる人気ぶり。それもそのはず、出演アーティストは、田島貴男(Original Love)、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)、EGO-WRAPPIN’(Acoustic Set)、TENDRE、須永辰緒(sunaga t experience)、渋川清彦、Night Tempo、銀座たけ内(DJ FUMIYA【RIP SLYME】&SU【ex.RIP SLYME】)と大物揃い。
この豪華アーティストを呼び、今や海外にもファンがいる「あしかがフラワーパーク」を会場として行われる同フェスはどうのように開催が決まったのか。
仲間とグラスを傾けながら会話したことが発端です

足利市出身の長さんは短大卒業後、地元で就職。銀行・アパレル系と職場を移した後、27歳で飲食店『FOOD&bar EMI’S』のオーナーとなる。その後、2006年通2丁目に『bar mood indigo』をオープンさせ、2019年には永楽町に同店を移転し現在に至る。
また、昨年5月に開局した足利コミュニティFMで番組(「インディゴアフターダーク』毎週土曜日 18:30~19:00)をもち、パーソナリティとしてお酒や日常の様々な出来事をテーマに、楽しいトークを繰り広げている。
「同フェスの話は、店を移転した年の秋に、プライベートで仲間とお酒を飲んでいる席で出た話です。足利で音楽イベントをしたいねって。ところが間も無く新型コロナ感染症が広がり、この話は頓挫していました。しかし状況も落ち着きをみせてきた頃、イベントの話が再燃し、昨年の2月に同フェスの実行委員会を立ち上げ、本格的にスタートしました。
もともと、当店主催で年に2回ほど開催している『インディゴ市』という500人規模の野外イベントがありました。近隣の店舗にも協力していただき『楽しい永楽町にしよう!』をコンセプトとして、音楽・飲食・ワークショップ・ヨガ・美容などの出店で盛り上がる一日限りの催しです。この形を拡大して1000人規模で行いたいと考え、会場に『あしかがフラワーパーク』を使用したいと打診したところ、快諾していただきました。」
出演アーティストに合わせ、グレードが上がっていった

「この企画を友人の齊藤孝氏(株式会社グラスロード社/高崎市上中居町684)に伝えたところ、協力していただけることとなり、今回の出演アーティストの7割のブッキング(出演者へのオファー)を担当してもらいました。」
齊藤氏は、日頃から高崎芸術劇場で催される公演などのブッキングも担当しており、同フェスとしては昨年の11月から動き出していたそうだ。
「出演者の須永辰緒さんとは面識があり、大変尽力いただきました。足利市出身であり、以前にも足利で数回イベントに出演していただいています。アーティストが決まっていくなかで、そのレベルに合わせた音質を届けたいと、音響エンジニア・舞台装置などのプロフェッショナルを揃え、グレードもアップしました。フェスの規模が拡大していった要因として、アーティストのブッキングの成功が大きかったと思います。」
同フェスへの出演を喜んでいるアーティストの声も

足利市で行う初回のフェスでありながら、これだけの顔ぶれが揃うことに驚いている人も多いが、出演者からの声は?
「黒猫同盟として参加する小泉今日子さんは、以前TV番組の収録であしかがフラワーパークを訪れており、その時共演した樹木医さんとのやり取りを含め、この場所にとても良い印象があったようです。そのため快くオファーを受けてくれたとか。さらに、出演者の顔ぶれを見て『ぜひこのフェスに自分も参加したい』といってくれたアーティストもいたようです。チケットを購入された方も『大人可愛い、生キョンキョンに会えるから』との声も少なくないようです。
また、今回須永辰緒さんから出演の声がけをしてもらったEGO-WRAPPIN’ の二人は、足利でのライブ経験もあり、足利が大好きだと聞いています。」
あしかがフラワーパークが音楽の風を吹かせる

同フェスの最大の特徴ともいえる花に囲まれた会場。毎年ゴールデンウィークの頃に開花する『奇蹟の大藤』や、光の花の庭と謳われている冬のイルミネーションはもはや、世界的な知名度だが同フェス開催の6月は、バラ・シャクナゲ・クレマチスなどの花々が美しい「レインボーガーデン」が見頃を迎えている。
「ホールで行うコンサートとの大きな違いは、風の音や自然の光、花の香りに包まれた空間全体が会場だということ。長時間に及ぶフェスで音に疲れたら、花を愛でるなど自然に癒されてください。音楽と自然が一体となった新しいあしかがフラワーパークに出会えると思います。」
若者にフェスの体験をしてもらいたい
同実行委員会のメンバーは、栃木・群馬県を中心とした製作会社、音響エンジニア、飲食店店主など各方面のプロが集い、運営スタッフはほぼボランティアでの参加だという。さらに学生ボランティアの募集もあり30人ほどの参加が決まっている。
「フェスに行ったことのない若者も多いと思い、ぜひ初フェス体験をして欲しいと考えボランティアを募集しました。また、今回は音楽を中心としたフェスになっていますが、将来的にはアートを取り入れたり、様々なジャンルをミックスさせたいと考えています。そこには、若者、子どもたちの参加を呼びかけ、フェス全体で子どもたちを育てるような催しにできたらと思います。」
始まる前から次回開催を望む声が聞こえる
「今回のフェスの立ち上げから開催まで、関わっていただいた全ての方々のご協力があり、ここまで来ました。また『次回のフェスも協力するよ』との応援の声を開催され前からいただき、感謝の念にたえません。町内からスタートしたイベントが、今は足利市全体を盛り上げるフェスに大きく成長しました。ぜひ継続させたいと思います。」
フェス終了時には『また来年もよろしく』と手を振ろう、そう約束しているという。
文/松尾幸子
写真/浦島大介
BAR MOOD INDIGO
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住所/足利市永楽町7-9
定休日/火曜日
営業時間/日~木18:00~24:00(LO23:30)
金、土、祝前日18:00~25:00(LO24:00)
TEL 0284-22-4739
協力/あしかがフラワーパーク
株式会社グラスロード社