初冬の静まり返る河川に新たな風物詩
朝夕の寒暖差が大きくなってきたこの時期。
早朝に渡良瀬川沿いを歩くと、澄んだ空気に水面の蒸気が朝陽に照らされて神秘的な雰囲気を醸し出しています。
草木が紅葉し徐々に葉を落としてくると、河川敷の生命感も静かになりいよいよ冬の気配を感じる季節。

本来であれば毎年9月中旬で渓流釣りが禁漁になり、この時期は翌年3月の解禁まで渡良瀬川も釣り人が少なくなる時期であります。
しかし、実際に川に行ってみるとこの時期でも足利市内の渡良瀬川で竿を伸ばす人の姿が多く見られます。
渓流釣りが禁漁期間なのになぜなのか?
「冬季釣り場」という言葉はご存知でしょうか?
渡良瀬川をはじめ、各河川で渓流釣りが禁漁になる冬の期間、区間を限定してニジマスを放流して釣ることができます。
佐野・足利地区を管轄する渡良瀬漁協でも、この時期は区間と期間を設けてニジマスを放流し、「冬季釣り場」として楽しめるようになっています。

身近な場所で狙える大物釣り
ニジマスと言えば、釣り堀のニジマスを思い浮かべる方も多いはず。
だいだい大きさは25cm~30cmくらいのイメージでしょうか?
しかし、そのイメージを遥かに超える大物を狙えるのが冬季釣り場の面白いところ。
渡良瀬川の冬季釣り場では大型のニジマスを多く放流しており、50cmを余裕で超える大物も放流されています。
普段街中を流れる身近な渡良瀬川で冬場にそんな大物が狙えるのは、意外性もあり冬場の楽しみとして通う方も多くいます。

そして放流されたニジマスとはいえ、ゲーム性も高く、更に流れの中で掛けると引きも強くとてもスリリングです。
今回は、そんな冬季釣り場の釣りをご紹介いたします。
冬季釣り場での道具
基本的にルアーで狙う場合は、下記のタックルが1本あれば十分楽しめます。

ロッド:6~7フィート台のL~MLクラスのトラウト用スピニングロッド
リール:スピニングリール2000~2500番
ライン:PEライン0.6号+リーダーはフロロ8LB またはナイロン6~8LB
ルアー:3.5~5gスプーン、ミノー、小型クランクベイトなど(最近では冬季釣り場向けのルアーも発売しております)
渡良瀬漁協管轄 冬季釣り場の区間とポイント
冬季釣り場として釣りが認められている区間は、最上流は葉鹿橋~最下流は渡良瀬橋までとなります。
特に初心者でも入りやすくオススメは、緑橋上流のテニスコート前の前後。
駐車場も広く、足場も護岸されているので川の釣りに慣れていない方にもオススメです。
そして、その上流の北関東自動車道の周辺は駐車スペースも近く、ニジマスの放流場所にもなっているので魚影も濃く実績が高いです。
ある程度川歩きに慣れている方は、その上下にも魚は居るので広範囲に探ってみるのもアリです。
入漁料とレギュレーション
以前のコラムでご紹介した通り、自然の川や沼でも釣りをするには入漁料や釣りを楽しむためのルールが存在します。
渡良瀬漁協の冬季釣り場は下記の通り。
入漁料:一日2,000円。シーズン券7,000円。
期間:2025年10月12日(日)~2026年2月22日(日)まで。
釣り方:釣り方はルアー、フライ、テンカラ、エサ釣り※リール使用のエサ釣りは禁止。針はシングルフック(トリプルフックは禁止)カエシの無いバーブレスフックとなります。
年内は釣れたニジマスはキャッチ&リリース(持ち帰り不可)となっており、年明けの2026年1月1日(祝)~2月22日(日)までは持ち帰りが認められています。
放流されているニジマスは、「頂鱒」(いただきマス)と呼ばれる身が赤いブランド鱒なので、年明けに釣られる方はぜひ持ち帰って食べてみても美味しいです。

日釣券を購入して丸一日釣りをするのも良いですが、シーズン券を買って空いた時間に朝夕の短時間だけ釣りを楽しむのもアリです。

シーズン券は最寄りの釣り具屋さんでのお買い求めになりますが、日釣り券でしたらスマホアプリやコンビニのチケット端末でも購入が可能です。
※詳しくは渡良瀬漁協さんのHPをご確認ください。
年内は、まだまだ追加放流あり
ちょうどこのコラムがアップされる頃にはまた追加放流があります。
・11月23日(日)200㎏
・12月7日(日)200㎏
放流日は人も多く賑わいますが、それだけ釣れるチャンスも大きくなります。
すでに何回か放流はされているので各ポイントに魚は多く居ますが、放流日をご確認の上、近い日にちに釣行されるのもオススメです。
釣りのついでに渡良瀬川の土手を散歩してみたり、最近では渡良瀬橋上流にある「わたらせリバープラザ」はカフェなども併設しているので、立ち寄ってみるのもオススメです。

画面の向こうにある遠い地へ出向かなくても、身近な場所で大物は潜んでいる。
今年の冬は渡良瀬川で大型のニジマスを狙ってみるのはいかがでしょうか?

