山姥切国広と本作長義が〝競演〟・28年ぶりの同時展示・来年2月足利市開催の特別展で

 足利市は8月29日、同市民財団が取得し来年2月8日から3月23日までの開催を予定している、国重要文化財で足利ゆかりの刀「山姥切国広」の特別展覧会で、同じく重文の刀「本作長義」を同時展示すると公表した。山姥切は長義を本歌(原作)に写しとして堀川国広が作刀したものとされており、両刀が同時に公開されるのは28年ぶり。刀剣ファンにとってより大きな魅力になるということで、市などはファンの期待に応えるべく、本番に向け準備を進めていく。
 「本作長義」は現在、名古屋市の徳川黎明会が運営する徳川美術館が所蔵。市などによると同刀は南北朝時代の備前長船派の刀工長義がつくり、1586年に北条氏直から足利城主・長尾顕長に贈られた。1590年に国広が同刀の写しとして山姥切を作刀。刀剣で本歌と写しがともに重文となっている唯一の事例という。
 縷縷(るる)プロジェクトと名付けて同市が行ったクラウドファンディングの結果、山姥切が今年3月に市民財団所有となったことで同美術館との相互貸与の調整が進み、1997年に東京国立博物館での展示以来、両刀が並ぶことになった。また、徳川美術館でも6月14日から7月27日まで同時展示される予定。
 また、今回の展覧会では日本刀を擬人化した刀剣男子を育成するシミュレーションゲーム「刀剣乱舞」(ONLINE)も連携。具体的な内容は今後調整し、決まり次第公表していく予定。
 同展覧会開催にあたり早川尚秀市長は「約435年の時を超えて足利の地に相並ぶことはもちろん、山姥切国広取得後初のお披露目となるので、縷縷プロジェクトに支援いただいた皆様や多くの人にご覧いただきたい」とし、同財団の笠原健一代表理事は「山姥切国広というかけがえのない名刀を未来へつないでいきたい」とコメントを出している。

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桐生タイムス社(本社・群馬県桐生市)の足利市担当記者が日々の取材活動を通して、お知らせしたいこと、伝えたいことを紹介していきます。取材して記事化したものを渡良瀬通信ブロードキャスト(下記)とminimu、桐生タイムス紙面で随時紹介していきます。

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