知的、発達障害を学ぶ・中高生ボランティアスクール

 足利市社会福祉協議会は「赤い羽根中高生ボランティアスクール」を8月5日、同市東砂原後町の市総合福祉センターで開催。今年度のテーマは「みんなで協力!運動会―知的・発達障がいについて学ぼう!」で参加した10人は午前中は知識を、午後は当事者との交流で学びを深めた。
 同スクールは中高生に福祉の心を育ててもらうとともに将来的な地域福祉の担い手づくりを目的に長年開催してきている。
 午前中は、兵庫県たつの市を拠点に知的障害、自閉症、発達障がいを理解してもらおうと啓発を続けている団体ぴーす&ピースの矢野一隆さんが知的・発達障がいを持つ人について「抽象的な言葉は理解しにくい」「興味のあるものしか見えていない」「手先が不器用」などの特性があることを説明し、「具体的に伝える」「はっきり伝える」「ゆっくりゆったり見守る」ことで「できることがたくさんある」と分かりやすく説明。
 さらにこの特性を実際に体感してもらおうと疑似体験も実施。「リンゴ、ちょっと、ボール、ちゃんと」をそれぞれ絵に書く体験では「ちょっと、ちゃんと」に中高生は苦戦。矢野さんは「絵に書きにくい言葉は伝わりにくい。具体的に伝える工夫が必要」と説明。このほか、軍手を2枚重ねて紙幣を数える体験などを行った。
 矢野さんは同障がいを持つ人が地域で住みやすくなるには「少数の専門家より、その人自身を理解してくれる人が増えるほうが良い」と話し、参加した中高生に向け「支援より先に理解して欲しい。理解者が少しでも増えることを願っています」と投げかけた。参加した高校生の一人は「お話がとても心に残った。まず、ちょっとという言葉は使わないように心がけます」と話していた。
 午後は、市内の社会福祉法人足利むつみ会が障がいを持つ人の就労支援を行うセルプ絆の利用者と玉入れや〇×クイズ、もの送りゲームなどを通して交流した。

知的・発達障がいを持つ人の特性を学び、疑似体験する中高生(足利市総合福祉センターで)
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この記事を書いた人

桐生タイムス社(本社・群馬県桐生市)の足利市担当記者が日々の取材活動を通して、お知らせしたいこと、伝えたいことを紹介していきます。取材して記事化したものを渡良瀬通信ブロードキャスト(下記)とminimu、桐生タイムス紙面で随時紹介していきます。

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