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ななころびやお記 その92 HIROE KATO | 渡良瀬通信2014年9月号より

2024 9/04
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2024年9月4日

真夏のタイヤ交換

 ジリジリと太陽が照りつける真夏日。立っているだけでもクラクラする炎天下で、車に備え付けの工具を前に私は途方に暮れていた。昨晩、車のタイヤがパンクしていることに気づいたのだ。こりゃあ、一刻も早く修理に出さねばならない。翌日、明るくなってからまじまじと見ると、後輪の片方が見事にぺしゃんこになっている。よおし、ここは一つ頑張ってリカバリーしてみるか。
 家人や友人がタイヤ交換をしているのは何度か見たことはあるし、手伝ったこともある。やり方はおおむね分かってはいるが、どうやってもタイヤを止めているボルトがはずせない。重さにかけては自信満々の我が体重を片足にかけても、一ミリも回らないのだ。こんな時に役にたたないなんて、無駄に重いだけじゃないか。ブーブーと自分を責めても、益々暑くなるだけである。
 「ひゃあ、こりゃあ無理だよ~。機械でボルトをキツキツに締めちゃってあるからねえ」。窮状を知って飛んできてくれた近所のタイヤ屋のおじさんが、私以上に大汗をかきながら悲鳴をあげた。それでもおじさんは、何度も細いレンチに彼の全体重をかけ続け、どうにかパンクしたタイヤをはずすことに成功した。
 「ああ、これだ、これだ」。タイヤの真ん中にブスリと刺さっている釘を工具で抜き取ると、そこからわずかに空気が抜ける音がする。よくよく見たらタイヤの「みぞ」もだいぶすり減っているではないか。手際良くスペアタイヤを付けてもらい、とりあえずは一件落着したが、エンゲル係数ばかり高めていないで、車のメンテナンスにも気を使えという警告だろう。これからは気をつけます。とほほ…。

自転車に乗って…

 タイヤの話が続くが、先日、久しぶりに自転車に乗った。それがどうした?と突っ込まれるところだろうが、最後に乗ったのは気が遠くなるほど昔のこと。「今度のイベントは、広範囲を動き回る必要があるので、小回りのきく自転車が良いですよ」と職場の後輩の助言を受け、やむなくしまったままで埃をかぶっていたママチャリを引っ張り出してきたのだが、前後のタイヤはどちらも空気が抜けている。さてさて、空気入れはどこにあったかな。ゴムが劣化したり、パンクなんぞしていたりしたら…とオロオロしつつ、おぼつかない手つきでシュッシュとバルブに空気を押し込む。どうにかタイヤは無事だったようだ。
 数十年ぶりにサドルにまたがってみる。中学生だった頃のように、片足で地面を蹴って颯爽と飛び乗ろうとしたが、そのままどこかに激突してしまいそうだ。ちょっと格好悪いが、両足でがっしりとバランスをとってから恐る恐るこぎ出すと、なんだかいい感じではないか。加藤茶がコントで演じるおまわりさんのように、だいぶフラフラしてはいるけれど、どうにか前には進んでいる。調子づいてピンカラ兄弟の『女の道』でも口ずさみたいくらい(古っ!)。
 最初こそ酔っ払いのごとく情けない運転だったが、そこは“昔取ったきねづか”。やがてすぐに、風をきって走れるようになった。徐々にスピードをあげながら、「昔は、自転車でどこでもでかけたなあ。坂道を下る時なんざ、そりゃあもう気持ち良かったものだ」といい気分に浸る。よし、これからはまめに自転車に乗ることにしよう。
 「乗る」と言えば、知多半島に住む友人の中根氏から、「一度、乗りに来ませんか?」とヨットの写真がメールで送られてきていたっけ。海風に吹かれながら飲むビールはたまらない、とも書いてあった。うんうん、そうだろう。海の上でノンアルコールビールを片手に、アサリの酒蒸しやタコ刺し、煮魚、塩焼きなどをツマミにするのも実に魅力的だ。頭の中が竜宮城のような風景で満たされたとたん、路上の小石にタイヤが乗り上げ、危うく転びそうに。まずは、もっと上手に自転車に乗れるように頑張ろう。

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minimuアーカイブはは過去minimu、渡良瀬通信へ掲載した記事を元に作成されたものであり、当時の時代背景や文体をそのまま反映しております。現在の表現方法とは異なる場合がございますので、ご理解の上お読みください。

渡良瀬通信2014年9月号より

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