11月に足利市で開催される、アートコミュニケーション『バタフライエフェクト』は、パフォーマンスやアート制作を行う国際色豊な表現者たちによるプロジェクトである。このプロジェクトが足利で開催されるきっかけとなった人物、篠田奈津子さんに話を伺った。
「高校生の頃は、田舎を離れたい、そんな思いから東京の大学に進学し、そのまま都内で就職もしました。当時自宅近くに、イベントスペースとしても使われているカフェがあり、そこで自主制作映画に取り組む人たちと出会い、彼らを手伝うようになり、私も監督として2本の実写映画を製作しました。1作目はバイクを盗む女の子が主人公のロードムービー。技術的につたなさはあるものの、自分の思いは込められたと思います。この作品はインディーズムービーフェスティバルで入選しました。2作目も前作同様に、愛をテーマに製作しました。今思えば、好きが高じて始めた映画づくりは自分の『大いなる勘違い』によって、なし得たことのようです(笑)。」
その後、篠田さんは生活の拠点を沖縄に移す。そこでは、ミニシアター『桜坂劇場』で企画・宣伝を担当。さらに多くの映画と関わることになった。映画は作り手の内なる思いを、作品を通して伝えることができる、そこが面白い。それぞれに異なった世界観があり、そこに監督の思いがしっかりと現れている作品が好きだという。
沖縄の生活も5年になる頃、篠田さんはの思いは足利へと向く。「海外に出て日本の良さを、地元を離れて故郷の良さを知る」多くの人々が感じるのと同様に、篠田さんもまた、海外、東京、沖縄での生活を通じて「足利」の居心地の良さを再確認した。
今年2月足利に戻った篠田さんは、東京の知人を、足利で開催される『神楽』に招待した。そこでパフォーマンスやアート制作を行う彼等から「現代的なパフォーマンスを、この歴史や時代を感じられる足利でやってみたい」との申し出があり、アートコミュニケーション『バタフライエフェクト』が開催されることとなった。
「様々な方法で自らを表現する、彼等表現者たちによるこのプロジェクトを通して、観ていただいた方々に自由に感じる面白さを伝えたいです。」篠田さんの国籍、文化の垣根を超えた活動が続く。
Profile
しのだなつこ/1972年、佐野市生まれ。中学3年から4年間足利市に住む。都内の大学に進学、卒業後就職。自ら監督した自主制作映画を3本(人形を使用したアニメーション1本、実写2本)製作。2009年より沖縄にて生活。直後、アメリカ大陸に渡り半年間、先住民族と出会う旅を続け、再び沖縄の生活に戻る。2014年2月より足利市在住。現在『足利の香り 蘭と月』に勤務。
■今後開催のプロジェクト
《感じたっていんじゃないん アートだもの》
ロサンゼルス×東京×足利 アートコミュニケーション
『Butterfly effect(バタフライエフェクト)』
日時/2014年11月16日(日)15:00~
会場/足利市助戸公民館
ホール・住宅棟(栃木県指定文化財)
料金/¥1,000(高校生以下無料)
※イベントの詳細は27ページに掲載
写真・文/松尾幸子
minimu アーカイブ
minimuアーカイブはは過去minimu、渡良瀬通信へ掲載した記事を元に作成されたものであり、当時の時代背景や文体をそのまま反映しております。現在の表現方法とは異なる場合がございますので、ご理解の上お読みください。
渡良瀬通信2014年11月号より