学びあう3市の子どもたち・日本遺産交流事業

 両毛地区で日本遺産を持つ桐生、館林、足利各市による「両毛3市日本遺産交流事業in足利―学び合うわれら3市のこどもたち」が9月23日、足利市昌平町の史跡足利学校で開かれた。同事業で子どもが〝主役〟になったのは今回が初めてで参加した群馬2市の子どもたちは足利の子どもたちの手ほどきを受けながら「こども釋奠(せきてん)」を体験したり、日ごろの活動内容を発表し、それぞれが持つ日本遺産の価値を学び合った。
 日本遺産は文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリー。桐生市は2015年度に「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」で県内他3町村とともに認定された。足利学校を持つ足利市も同年、「近世日本の教育遺産群―学ぶ心、礼節の本源―」として茨城県水戸市、岡山県備前市、大分県日田市の構成で、館林市は19年度に「里沼(SATO-NUMA)―『祈り』『実り』『守り』の沼が磨き上げた館林の沼辺文化―」で認定された。
 3市は2019年に「日本遺産両毛3市連携共同宣言」を行い、その魅力を発信するとともに各市長などによるシンポジウム、東京での合同PR会などを開催してきた。今年の連携事業は、日本遺産を子どもたちに学んでもらい、理解を深めてもらおうと足利市で毎年行われている「こども釋奠」の実施日に合わせて企画し、3市から22人の子どもたちが参加した。

 当日は桐生市から未来創生塾の中島小綺さん(新里中1年)、馬場音葉さん(桜木中1年)、中里くるみさん(足利市立坂西中1年)、小山結光さん(北小5年)が参加。まずは足利の子どもたちが同学校大成殿で厳粛に執り行った「こども釋奠」を見学。続いて同釋奠から孔子やその高弟に米や野菜、魚などをささげる供饌(きょうせん)の儀、飲み物をささげる執罇(しっそん)の儀を体験。
 その後、会場を方丈に移し、「子どもたちによるMAYUを使った日本遺産ガイド」をテーマに同塾の子どもたちが創意工夫を凝らして企画実施している特別なガイドツアーの内容について発表を行った。中島さんは「こども釋奠はとても貴重な体験になりました。思い出に残ると思います」とし、「各市の同年代との交流も楽しく、今後も続けて欲しいです」と話していた。
 出迎えた足利市の早川尚秀市長は「地域の歴史や伝統文化を次世代につなぐうえで若いみなさんに関心を持ってもらうのはありがたいこと。この事業を通してお互いの歴史、文化を知ってほしい」との言葉を贈っていた。

日本遺産交流事業で取り組んいる活動内容を発表する未来創生塾の子どもたち(足利市、史跡足利学校で)
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桐生タイムス社(本社・群馬県桐生市)の足利市担当記者が日々の取材活動を通して、お知らせしたいこと、伝えたいことを紹介していきます。取材して記事化したものを渡良瀬通信ブロードキャスト(下記)とminimu、桐生タイムス紙面で随時紹介していきます。

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