1947年に発生したカスリーン台風の水害により足利市内で犠牲となった人の冥福を祈る慰霊式典が9月15日、同市岩井町の渡良瀬川堤防にある地蔵・供養塔前で執り行われた。78回目となった今年は遺族や早川尚秀市長など関係者40人ほどが参列した。
同市では同年9月15日、前日からの集中豪雨もあり、堤防が決壊。式典を主催する慰霊碑保存協議会などの調べでは321人の尊い命が奪われた。式典は災害発生の翌年から行われ、現在は同協議会が毎年実施している。
当日は遺族のほか、早川市長、国土交通省・荒井満渡良瀬川河川事務所長、大島一彦教育長、斎藤昌之足利市議会議長、同市議などが参列。献花に続き、同協議会代表の徳蔵寺・源田晃澄住職と御影寺・篤英仁住職が読経し、犠牲になった人たちの名前を一人ずつ読み上げた後、参列者が焼香し、冥福を祈った。
あいさつに立った早川市長は「中橋架け替え工事など今後も安心安全なまちづくりに取り組んでいくことを誓う」とした。また、4歳で被災した源田住職は被害発生当時やその後の犠牲者の調査状況を話しながら「日ごろの備えや早めの行動が非常に大切であると思う」とし、今後もわかっていない犠牲者の確認作業や慰霊式典を継続していくことも改めて誓っていた。
