幼馴染二人の初めての展示会ーー。『おさななじみ展』柔らかな木版画と立体に癒されて

 8月16日~19日の4日間、御厨公民館で開催された『おさななじみ展』。アーティスト・造形作家 の小林桃子さんと木版画家の日永つづさんによる、足利市御厨出身の幼馴染二人の作品展。自宅が近所で、幼い頃から互いをよく知る仲だった二人。大学は別々だが共に美術大学に進学。卒業後も、二人はそれぞれに制作活動を続けていた。

 今回の展示会は、小林さんが日永さんに呼びかけ地元での開催となった。表現の手法は別々だが、繊細かつ柔らかな色彩で、それぞれの作品が調和した展示会になっていた。

 日永さんは木版画で、身近にある様々な現象が創り出す美しさを表現している。「日常生活が上手くいっていなかったときに、ふと自宅の脱衣所の窓が美しい光を放っている様子を目にして、心を打たれました。日常の中にある美しさに気付き、これを忘れてはいけないと作品にしました。ここから、様々な現象が織りなす美しさをテーマに制作を続けています。作品を通して多くの方々に、日常に存在する美しさを知って欲しいと思っています。」

 小林さんはモビールや、石粉粘土を素材とした立体造形を制作している。「大学入学と同時にコロナ禍となり、外出もできない日々が続き、居心地の悪さがストレスとなっていました。その経験からコロナが落ち着いてくると、心地よい空間を作品で表現するようになりました。どんなに美しいものも永遠に存在するものではない。だからこそ、感覚として記憶に残るもを創ろうと考えました。さらに、作品は石粉粘土のように、同じ素材で何度も作品を作り変えることができる、循環が可能な素材を使用しています。自然を大切にしたいとの想いからです。」

 初めての展示会は、地域の人や友人など60名以上の来場者があったという。若い二人の今後の制作活動にも注目してみたい。

《心の徒桜(あだざくら)・モビール》小林桃子
《気になる子》日永つづ
《光の様子1.かすみガラスとセンサーライト》日永つづ
《光の様子4.水と光、多々良沼》日永つづ
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この記事を書いた人

松尾幸子のアバター 松尾幸子 minimu 編集人・ライター

タウン情報誌の編集を経て、minimu 創刊号(2024年1月号)より、フリーの編集人・ライターとして活動中。地域の皆さんに良質で明るい情報を届けるべく、編集・取材を続けています。
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