足利市と包括連携協定を締結している足利ガス(石川恭敬社長、本社・足利市)は「桜の木保全活動」としてクビアカツヤカミキリの被害で伐採を余儀なくされた桜を再資源化する粉砕機1基とハンディーソー1式を寄贈。6月28日に同市田所町の市総合運動場体育センター南側エリアで贈呈式が行われた。
ゼロカーボンシティ宣言を行った市は同社、さらに日本最大級の総合エネルギー開発会社のINPEX(本社・東京)の3者で昨年3月、包括連携協定を締結。同協定では公共施設へのカーボンニュートラルエネルギーの導入、環境啓発事業の共催、自然資源の保全事業の調査と研究、地域レジリエンス強化に向けた調査・研究などを盛り込んだ。
足利ガスによれば、これまで市役所本庁舎と同本社にカーボンオフセット都市ガスの導入を開始。その売り上げの一部を活用し「循環型地域連携モデルの構築」を目指しているという。さらに昨年9月からは市の環境啓発アプリ「あしかがエコ」への協賛も開始している。
今回の寄付はクビアカツヤカミキリにより市内の桜の木の被害が深刻化する状況を受け、伐採された被害木を粉砕、チップ化し、焼却することなく再資源化、活用することで桜の保全活動を進めていこうというもの。チップ化された伐採木は桜の根元の防草、遮熱、養生などを行うマルチング材として活用されるという。
贈呈式では早川尚秀市長が「被害を受けて処分されてしまう桜を粉砕して利活用することで桜資源の循環を図るとともに市の美しい桜の保全に努めていきたい」と謝意を表した。粉砕機は移動式で当日、デモンストレーションも行われ、居合わせた市民らから「すごいね」と感心する声も上がっていた。
