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心を揺さぶられるフラメンコの魅力を追い求めて フラメンコ舞踊家 吉澤 暁子さん

2024 11/01
特集
2024年10月24日2024年11月1日
目次

ドイツ語・スペイン語・英語通訳/海外取材コーディネーターであり、フラメンコ舞踊家として

 「本業はといえば、通訳や翻訳、海外取材のコーディネーターです。私がフラメンコを踊るということは、日本に来た外国人が能や歌舞伎が好きでやっています、というようなもので、外国人がフラメンコのプロを名乗ることは相当な覚悟とレベルが必要だと思っています。これまでフラメンコの本場、スペインのセビージャで8年以上研磨を積み、この25年間、フラメンコは何なのかを追求し続けています。」

幼稚園時代に聞いたカスタネットの響きとフラメンコギターの音色に惹かれ

 吉澤さんのフラメンコとの出会いは足利幼稚園時代。家族と軽井沢でフラメンコを鑑賞する機会があり、その時に耳にしたカスタネットの響きとフラメンコギターの音色に惹かれたという。
 父の仕事の関係で、小学1年生から中学1年生まで西ドイツ(当時)で過ごし、帰国後中学・高校と足利の学校に通う。足利女子高校ではダンス部に所属、この時ダンス関連の書籍を探していた図書館でフラメンコの本を目にする。そこからは一途にフラメンコを追い求める道を歩むことになった。
 フラメンコが盛んだという理由で東京外国語大学に入学し、スペイン舞踊部とカンテ研究会に在籍。大学卒業後、一旦美容系の外資系会社(本社ドイツ)に入社。23歳のとき、学生時代からテレビの翻訳のアルバイトをしていた番組制作会社(テレビマンユニオン)のチーフディレクターから『世界ウルルン滞在記』の海外プロデューサーの依頼を受け転職。海外ロケのプロデュースをしながら、フラメンコ教室に通う日々が続いた。
 「この頃、番組のディレクターの結婚式でフラメンコを披露する機会があり、その場に同席していた司会者の徳光和夫さんに『君はこっちの道で生きるべきだよ』とフラメンコへの道を勧めていただきました。」また同社の女性からフラメンコをやってみたいとの声が上がり、吉澤さんは同社にフラメンコ部を立ち上げたが、その後同社を退職する。

スペインのセビージャで8年フラメンコと向き合う

 「いつかは本場スペインでフラメンコを学びたいとの思いを抱きつつ、忙しい仕事の合間も、ずっとドイツに行きたいとも考えていました。2003年にサッカー人気で沸くドイツで通訳の仕事をする準備をしていたところ、縁あって代議士の秘書の仕事を半年ほど永田町ですることになりました。その仕事が一区切りついたとき、ドイツもさることながらこのタイミングを外したらスペインにも行けなくなると考え、とりあえず6ヶ月の予定でスペイン行きを決めました。」猛勉強して3ヶ月でスペイン語をマスターし、現地でフラメンコのレッスンを6ヶ月間、毎日受けて過ごした。
 「ところが、この短期間ではフラメンコを理解しきれないと悟り、一旦日本に帰国して長期滞在の準備を整えてスペインに戻りました。フラメンコをもっと深く知るためにスペインを拠点にして、ドイツ語通訳、海外取材コーディネーターの仕事を続ける道を選びました。ドイツ、日本、オーストリア、スイスなどの国々を飛び回りながら、稼いだお金は全てスペインで本場の踊り、バイレフラメンコを学ぶためにつぎ込むという生活を気付けば8年間続けていました。」

フラメンコは踊りと歌とギターの三位一体と気づく

 そしてスペインで8年以上、スペインの一流のアーティストたちから踊り(バイレ)を学んで気づいたことは「フラメンコは歌とギターと踊りの三位一体であるのに、自分は歌(カンテ)とギター(トケ)のことをまだまだ何もわかっていない。歌とギター、フラメンコの原点をもっと学ばない限り、本物のフラメンコを踊ることはできない。」ということ。さらにフラメンコの勉強はスペインでなくてもできる。そう判断し、2012年にドイツのベルリンに仕事の拠点を移し、通訳を続けながら好きなフラメンコを追求していく方向に切り替えた。しかしコロナの影響により通訳の仕事が激減、フラメンコ界も動きが止まってしまった。やがてコロナ禍を経て世の中も大きく様変わりし、インターネットの普及により、どこにいてもオンラインで情報をキャッチして学ぶことが可能となった。
 そこで、これからは足利で語学やフラメンコを教える仕事をしたいと考え、2022年に足利に戻った。しかし足利には需要があまりなく…。2023年、海外との行き来が復活し生活がまた大きく変化した。

サッカー元日本代表監督ハンス・オフト氏との出会いから、足利でのフラメンコ開催へ

 「サッカーの元日本代表監督(ドーハの悲劇時)のハンス・オフト氏の通訳を2010年からしており、NHKなどいくつかの番組でご一緒しました。このオフト氏をNHKの番組『奇跡のレッスン』でコーディネートすることを夢の一つとして、ずっと自分の中で温めていたのです。それが2023年ついに実現しました。中学生に1週間、彼がサッカーを教えるという番組をコーディネートし、2023年6月25日にオンエアーとなりました。
 オフト氏が監督として指導していたときの選手が、今指導者となり活躍しており、その皆さんからこの番組を観て、賞賛の声をいただきました。現日本代表の森保監督もその一人です。すでに何回か再放送されており、素敵な番組に関わらせていただき感謝しております。」
 コーディネーターとして番組制作の調整や通訳をする、言わば黒子のような役割を20年以上続けてきた。そして現在、番組の関係者などを通じて、通訳として新たなプロジェクトを進めている状態だという。
 「通訳の仕事が順調になると、フラメンコも勉強も頑張ろうというモードになり、昨年から足利でもフラメンコ・ライブを開催したいと動き出したところです。フラメンコは2010年11月、ユネスコによって世界無形文化遺産に登録され、世界中の人々に愛される芸術として、今も進歩を続けています。フラメンコの鑑賞の仕方や楽しみ方は色々あり、踊りを習うだけではなく、歌やギターの魅力も知っていただきたいと考えています。そこで次の目標は、フラメンコのドキュメンタリー番組をつくることなのです。」
 フラメンコ界で世界でも一流の人々を集め、ドキュメンタリー番組をコーディネートしたいと明確な目標を掲げている。また、一流のフラメンコ関連の人や学生たちを招いて、足利で公演を主催・開催することも目標の一つだという。スペインや東京で知り合ったフラメンコ関係者や学生たちに、足利の良さを知ってもらい、交流してゆくことも視野に入れて動いているとのこと。

魂を浄化させるフラメンコとは

 では、吉澤さんにとってのフラメンコの一番の魅力とは何なのか。
 「謎ですね。どうしてこんなにフラメンコに惹かれるのか、大いなる謎なんです。魂が揺さぶられる、感動するということです。実は踊りではなく歌とギターに感動する、そのことでフラメンコの原点はやはり歌なのだと思えるのです。そして魂を浄化させるフラメンコとは何なのかを常に考え、答えを追い求めています。」
 「フラメンコは頭で考えながら踊るものではなく感じながら踊るもの」原点を探す吉澤さんのフラメンコの旅は続く。

フラメンコ・ライブ予定

2024年12月14日(土)18:30〜/15日(日)12:30~
会場:Bel tempo 
チャージ料:¥3,800(1ドリンク+ 軽食付)
お問い合わせ:TEL 070-8998-8917(吉澤) 

詳しくはコチラ

Profile

よしざわ あきこ/
足利市出身。東京外国語大学スペイン舞踊部、カンテ研究会OG
スペインのセビージャで8年以上研磨を積み、欧州を拠点に国内外で活動してきたフラメンコ舞踊家。日本で岡本倫子氏、大木ユリ氏、小林泰子氏、スペインでコンチャ・バルガス、ホセ・ガルバン、マヌエル・ベタンソス、ラファエル・カンパージョ、アデラ・カンパージョ、アンドレス・ペーニャ、ピラール・オガジャ、ラ・チョニ、イザベル・バジョン等、多くの著名なスペイン人アーティストに師事。日本フラメンコ協会正会員。

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