茅葺き技術に触れてみた・史跡足利学校で見学会

 史跡足利学校事務所主催の「裏門かやぶき屋根工事見学会」が9月13日、足利市昌平町の同所で行われ、午前、午後の部合わせて60人が参加。見る機会の少ないふき替え作業に触れ「すごい技術だね」と感心していた。同工事に関連するパネル展示が10月5日まで行われている。
 見学会は公益社団法人社寺等屋根工事技術保存会が実施している研修作業を間近に見てもらい、その技術や足利学校の価値などに理解を深めてもらおうと実施した。見学会は茅葺屋根保存協会(栃木県下野市)の水野暁彦社長(53)が案内役となり、今回使用している「かや」は静岡県御殿場産のススキであること、植物性屋根の種類、関東では越後流、会津流、筑波流のふき方がほとんであること、屋根の勾配は雨が流れ落ちやすくするため一般的に45度であること、写真を使用してのふき替え作業の流れなどの説明。質疑応答も活発で熱心にメモを取る人もいた。
 また、組まれた足場に登り、ふき替え作業を見たり、専用の道具を使って「かや」を切断する体験もあった。宇都宮市から参加した小学4年の男子は「かやは思ったより軟らかかった。切るのも楽しかった」と大満足の様子。東京から訪れたグループもみなで切断体験し、「こんな体験、一生に一度あるかどうか。うまく切れて達成感があります」と感想。
 同学校事務所の斎藤和行所長は「研修会に足利学校を選んでいただき光栄で、それに合わせて見学会も開催できありがたい」と話していた。
 裏門は復原建物・方丈などと同様、1990年に復元整備されたもの。軒高約2.5㍍、棟高約5.1㍍で屋根面積は約36平方㍍。整備後は傷みの激しいところを10回ほど補修してきたが、全面ふき替えは今回が初めてとなった。
 昨年度から第2次保存整備事業がスタートした同学校。かやぶき屋根ふき替えや防災設備の更新、樹木整備、ユニバーサルデザイン化などを行っていく。メーンのふき替えは来年度及び再来年度から実施していく予定。

かやの切断体験を行う参加者(足利市、史跡足利学校で)
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桐生タイムス社(本社・群馬県桐生市)の足利市担当記者が日々の取材活動を通して、お知らせしたいこと、伝えたいことを紹介していきます。取材して記事化したものを渡良瀬通信ブロードキャスト(下記)とminimu、桐生タイムス紙面で随時紹介していきます。

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