両毛地域東武鉄道沿線活性化協議会(会長・早川尚秀足利市長)の2025年度総会が7日、足利市南町のニューミヤコホテルで開かれ、今年度の活動方針を決めた。新たに両毛7市と6商工会議所が合同し、同職員を対象として今年10~12月にかけ、13回の「公共交通利用デー」を設定、実施する。「車移動が生活の基本」から「地域の将来のため公共交通を使う」と意識を変革させるきっかけづくりが目的。協議会ではこの取り組みが広く沿線地域住民に広がることを期待している。
同協議会は昨年度、公共交通の利用実態などの研究をする中で、両毛地域が他の東武鉄道沿線に比べ、公共交通の日常利用が少ないことに着目し、市、商工会議所職員を対象にアンケートを実施。約700の回答を得る中で通勤手段の約9割を車移動が占め、休日などプライベートの移動手段も車の割合が高く「車移動が生活の基本で公共交通を使うより車移動のほうが楽」という意識が高いことが把握できた。
「利用がすくなくなれば、公共交通の仕組みを維持することが困難になる」との危機感もあり、まずはまちづくりを担う、市と同会議所が公共交通を利用し、意識を変えるきっかけづくりをしようと同デーの実施を決めた。対象となる公共交通は東武鉄道はもとより、各自治体の生活路線バス、JR、上毛電鉄、わたらせ渓谷鐵道など。試行期間中、毎週金曜日を同デーとして職員に公共交通の利用を推奨する。東武鉄道は実施後に利用実績の分析や比較で協力する。
協議会が期待する効果としては「利用増加による公共交通ネットワークの維持」「温室効果ガス削減」「職場周辺の飲食店利用増によるまちの活性化(寄り道推奨)」「通勤時間帯の交通渋滞緩和」。合わせて「同ネットワークの課題発見」「歩くことでの健康増進」も狙う。今後、公共交通利用可能な職員の洗い出し作業などを行いながら本番に備えるとともに取り組みを推進するため、時差出勤や同デーとノー残業デーの同時開催も検討していく。
同協議会は1988年に設立され、2005年に現名称に変更。足利、佐野、桐生、伊勢崎、太田、館林、みどりの各市の市長、市議会議長、商工会議所会頭と東武鉄道で組織し、両毛地域と東武鉄道の協調・連携により、同地域の活性化推進を図ることを目的に活動している。