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WELCOMETO ASHIKAGA | 信友直子さん

2023 7/31
インタビュー
2023年8月2日

WELCOMETO ASHIKAGA 両毛地域でスターにインタビュー

目次

ドキュメンタリー監督・ノンフィクション作家 信友直子さん

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~
一組の夫婦のラブストーリー

認知症の母と老々介護する父の日常を描いたドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』、信友直子監督が自身の家族を撮影した作品。足利市での上映会・講演会のため当地を訪れた信友さんに、本作品や自身について話を聞いた。

©映画「ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん〜」製作委員会

― 映像の世界に入ったきっかけは

信友さん
信友さん

大学時代から映像の仕事に就きたいと思っていましたが、希望した就職先はどこも男性社員の募集ばかりという時代でした。当時、コピーライターという職業が花形となっており、男女問わず社員を募集していた、森永製菓の広告部にコピーライターとして、1984年に入社しました。
同年『グリコ・森永事件』が起き、連日マスコミが押し寄せ、仕事どころではなくなりました。マスコミ恐怖症になりかけたとき、一人の女性記者が私に寄り添うように話を聞いてくれたのです。初めて人前で流す涙、と同時に気持ちが楽になったのです。人から話を聞き、その相手が晴れやかな気分になれる…。こんな仕事をしたいとテレビ番組の制作会社に転職しました。

― ドキュメンタリーを手がけるようになったのは

信友さん
信友さん

テレビドラマの制作は大所帯で、監督にでもならない限り、自分が思う作品はつくれない。しかし、ドキュメンタリーの制作は3~4人です。ディレクターがカメラを回し、一人で全てをこなす事もあります。

このスタイルで、私の好奇心が向いた、時代が見えて来るものをテーマに作品制作をはじめました。

― 自身の乳がん闘病を記録したセルフドキュメント作品も

信友さん
信友さん

自分が乳がんになる。とても怖かったです。なので、いつもしていることを同じように続けていれば、気が紛れるのではないか。そう考え家庭用のカメラで記録しました。病気の怖さから逃げたくて始めたことだったのですが、これから自分がどうなるのかを考えると、ワクワクする好奇心もありました。そして入院中見舞いに来たフジテレビのプロデューサーに、テレビ番組として取り上げる提案をいただき、ザ・ノンフィクション『おっぱいと東京タワー~私の乳がん日記』として放映されました。
このとき、バストトップを見せるかどうかの判断を迫られ、悩んだあげく、ボカシを入れずにそのまま放送する決心をしました。これまで自分は、取材した相手をある意味「裸」にしてきたわけです。自分をさらけ出すことは、今までの贖罪といえなくもありません。当初両親にはこの作品について伝えていなかったのですが、後にニューヨークフェスティバル銀賞・ギャラクシー奨励賞などを受賞し、地元呉市でも上映会が開催され、二人の知るところとなりました。

― 認知症の家族を撮ることに迷いはなかったのですか

信友さん
信友さん

日頃から帰省したときには家族を撮っていたので、その延長の遊び感覚で撮影をしていました。両親は、私の乳がん闘病の作品を観ても、バストのことには触れず「今まであくせく働いて来たけれど、癌になって立ち止まって見えてきたことがあってよかったね。」と作品論の話をしてくれました。この事でモノの本質を理解している二人だと分かっていたので、認知症になった後も撮り続け、1本目に映画にしたものは、60分テープで120本くらいになりました。

― 家族の日常を作品にしようと考えたきっかけは

信友さん
信友さん

認知症になった母が突然机の下に潜り込み「私はどうなってしまうんだろう」と気持ちを吐露したことです。認知症になった本人が、不安に思っていることは知ってはいましたが、そのとき初めて母の口からその言葉を聞きました。ということは、世の中の人も本人から聞いた人は少ないのでは?認知症になると、ボケてしまって何も分からないと考えるのは間違いで、これは世の中の人に知ってもらいたい。いつかは観てもらいたいと思いました。
今は核家族が多く、お年寄りと暮らす人も少ないので、特に若い人には年寄りの本音を知ってもらいたいと思います。介護や看護に携わることになったとき、それを知っているかいないかはお年寄りとの接し方に差が出ると思うのです。看護学校の学生さんが、実習の代わりにこの映画を観てくれたことがあり、とてもありがたいことだと思いました。

©映画「「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会

― 上映作品を通して観て欲しいポイントはありますか

信友さん
信友さん

認知症の映画としてではなく、一組の夫婦のラブストーリーとして、実は幸せはすぐ隣にあることを知って欲しいです。認知症であったとしても日常の中で笑いはあるし、笑いによってとても救われることもあります。周りの人が笑顔であれば本人も「私はここにいてもいいのだ」と自分の居場所を見つけることができます。そのためにも、介護している人は一人で背負い込まず、周囲の人に頼っていいと思いますし、頼ることを知って欲しいです。
私のつくるドキュメンタリー映画は、決して小難しいものではなく、「北風と太陽」の童話にある太陽のように、観る人の心を溶かす、そんなスタイルを持った作品をつくり続けたいと思っています。

Profile
のぶともなおこ/1961年広島県呉市生まれ。1984年東京大学文学部卒業、同年、森永製菓入社。1986年制作会社テレパック入社。テレビ番組制作の道へ。1995年から制作会社フォーティーズへ。2009年「おっぱいと東京タワー~私の乳がん日記」を発表。ニューヨークフェスティバル銀賞・ギャラクシー賞奨励賞などを受賞。2010年独立しフリーディレクターに。主にフジテレビでドキュメンタリー番組を多く手掛ける。(北朝鮮拉致問題やひきこもり、若年性認知症など)2018年に『ぼけますから、よろしくお願いします。』で長編監督デビュー。劇場に20万人を動員する大ヒットとなる。令和元年の文化庁映画賞・文化記録映画部門で大賞を受賞。2022年3月より、続編映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』を全国で順次公開中。

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