
“ やめることは、〇〇〇ること。 ”
ふと、何かを調べようと思ってスマホに手を伸ばしたものの、気づいたら別のアプリ内の内容を追ってしまっていていつの間にか時間が結構経ってしまっていた。
きっと、皆さんもこんな経験少なからずあるんじゃないでしょうか?
僕も寝る前とかに気づくとよくやっています。( 肝心な調べ物を完全に忘れていたりしますよね。)
意識しないと、ついスマホに手が伸びてしまう現代。
常に携帯が身近な場所にあるのが皆さんの生活でも自然な風景かと思いますし、特になんの疑問も持たないと思います。
以前、仕事の関係者の方にこんな事を言われた事がありました。
「最近改めて語学の勉強を始めたんだけれど、何かと連絡は来るし、通知も頻繁に目に入るからすぐにスマホを手に取ってしまって全く集中できなんですよね。ユウスケさんはどうやって語学や脚本等集中してやってるんですか?」
実際、アクターとして小さな成長を重ねて日常を送る為に、個人的に家やカフェでも机に向かってる時間が比較的長いと思います。
バスや地下鉄の光景からしても、僕はスマホでゲームをやるわけでもないし、毎月の携帯料金もネットの使用量上限が1ギガの一番低いプランで過ごせてしまいます(家ではwifiを使いますが)。
なので、職業柄もあると思いますが周りの人と比べると仕事や娯楽にスマホを駆使して生活しているという方ではないと思います。
しかしながら、そんな僕でもスマホの存在によって集中できない状態になってしまう状況は全く同じです。
なので、ちゃんとまとまった時間集中できる様に、“意識して集中できる工夫”をこれまでに編み出す事で自分のパフォーマンスを上げる努力をしています。
アクターという職業柄毎日オフィスに行って決まった仕事を日々するわけではないので、撮影のない期間、自分で未来に向けた成長の種を考え、その課題をクリアしたり、技術を身に付けたりする事に向けた具体的に実行する事柄を決めて、それを実際に日々行っていく、というのが僕自身の日常になりますので、怠けようと思ったら全く好きに過ごせてしまうという危険性が常に隣で手招きしています。
なので、“意識して”集中できる工夫を考えて、実際に実行するのをとても重要視しています。
この工夫を実行していく中で、気づいた事があります。
それは、実際のところ「やりはじめてしまえば、案外集中している自分を保てる。」という事です。
なので自分を保つ為に、スマホを一時的にネットを切る設定にする等使い方を工夫すれば解決できるのです。
しかし、今の時代、その前提により複雑な問題が眠っていることに気がつきました。
それは、何かやらないといけない事を始める前に、既にスマホで何かをしているという状態にある事がとても多いのです。
友人からメッセージが来てLineを開いて返信をしても、それだけ済ませてスマホが手から離れる事は、ほぼ、無いですよね。
必ずと言っていいほど、別のアプリや何か別のことを2つ、3つと無意識の内にスマホを使い続けてしまいます。
これなんです、一番厄介なのは。
今の時代、0(ゼロ)から何かに取り掛かるのではなくて、2つも3つも前に無意識にスマホに没頭している自分からはじめる必要があるんです。
詰まるところ、まず身につけるべき現代ならではの必要なスキルがある事に気付かされます。
それは、「集中するスキル」よりも「やめるスキル」が重要であるという事です。
何かに取り掛かってからの集中を持続するスキルを発揮するよりもまず、その前に物事に取り掛かれる状態の自分にする為に、その前に没頭している事を自分から「やめる」事が第一関門だという事です。
実際は、スマホでやっている事を「やめて」手を離すだけです。
でも、これがなかなかできない。
だから厄介なんです。
僕自身、頭では分かっている中で、集中力を持って小さな成長を重ねていける実りある毎日を過ごせる様努力していますが、それでもまだまだ完璧にできているかと言ったらそうではありません。
元々人間は弱い存在なのだなぁと痛感させられますが、それでも自分で少しでも意識する事でちょっとずつ改善はできていくのもまた事実です。
「習慣化の大事さ」が身に沁みる現代の一幕ですね。

ふくち ゆうすけ
1984年足利市生まれ。俳優。
20代を東京、欧米で過ごした後、独学で中国語を修得。現在台湾、シンガポール、中国、日本を拠点に活動、その各国に主演作品を有している。近年、自身の水彩画やエッセイなどの創作が注目を集め、書籍出版や連載、講演等の依頼へも積極的に参加している。
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