足利市内で続く伝統行事「初山のペタンコ祭」が6月1日、同市田中町の足利富士浅間神社で行われた。子どもの無病息災、無事成長を願い、額に朱印を〝ペタン〟と押す同市の重要民俗文化財。当日は日曜日とあって開始の午前8時ごろから家族連れが次々に訪れ、山の上にある神社は一日中にぎわいをみせていた。
同祭は富士山信仰である富士講をもとに、子どもたちの命を疫病や災難から守るために1700年代初頭から始まったと伝えられている。現在は氏子、総代が代々引き継ぎ、毎年6月1日に行っている。1998年には足利市重要民俗文化財に指定された。男の子には桜型、女の子には四角い朱印が押される。要望に応えて作ったペット用もある。
同市内はもとより、県内外から多くの家族連れが参拝。おはらいを受けた後、社殿前に進んで朱印を押してもらった子どもたち。きょとんとする子もいれば、泣き出す子、髪の毛を上げて家族に額を見せ、うれしそうに笑う子どももいて、山の上は大にぎわい。1歳の子どもを連れて同市内から訪れた20代の女性は「とにかくすこやかに育って欲しい」と話した。孫を抱っこした60代の男性は「元気な子なので、このまま伸び伸びと育って欲しい」と目を細めていた。
子どもたちの健やかな成長願いペタンコまつり・多くの家族連れでにぎわう・足利の伝統行事
