足利市通二丁目の足利市立美術館で開かれていた「山姥切国広展―名匠の軌跡、名刀の誕生―国広、本作長義と出逢う」が3月23日、44日間の会期を終え閉幕した。入場者数は4万4030人(速報値)で過去2回の山姥切国広展の入場者数を大きく上回り、同館の企画展としても過去最多を記録した。最終日も全国から多くのファンが足を運び、閉館時には名残惜しそうに両刀を見つめていた。
縷縷(るる)プロジェクトと名付けたクラウドファンディングの結果、昨年3月に同市市民文化財団の所有となった後の初公開、また、徳川美術館所蔵の本作長義が435年ぶりに足利の地で相並ぶことなどもあり、今回の企画展はファンらから注目を集めていた。
会期中はさまざまな関連行事やもてなしがまちなかを中心に行われ、同展を訪れたファンらを喜ばせた。2017年、22年の展示会にも訪れ、今回は14回も会期中に訪れたという神奈川県の女性は「毎回、新しい発見があり、とても楽しく鑑賞できました」とし、「SNSなどで知らないお店の情報をたくさんしりましたが、まわりきれませんでした。今後も足利を訪れて、ゆっくりとお店やまち歩きを楽しみたいと思います」と話していた。
最終日の閉館後も「名残惜しい」と美術館前に残った多くのファンのために今回も急きょ〝閉幕式〟を実施。早川尚秀市長が「山姥切国広という宝を大切に守り、未来へしっかりとつないでいきます」とあいさつすると大きな拍手。最後は同展にかかわったスタッフと残ったファンらで記念撮影も行った。
