「杜人~環境再生医 矢野智徳の挑戦」上映会&アフタートークかつて人は無言の大地と対話していた…

 2月28日、義任山 吉祥寺(足利市江川町245)で、杜人上映会レインボーチームが主催する、ドキュメンタリー映画『杜人』の上映会と、根岸大輔さん(大地の再生関東甲信越所属・環境整備・造園・植樹)をゲストに招きアフタートークが開催された。同市内・桐生市・太田市などから、予約と当日参加者を含め計78人が会場をうめた。
 この映画は、福岡県北九州市に生まれ、造園家として30年の経歴を持つ、環境再生医 矢野智徳さんが、山梨県を拠点に全国で、大地の再生や植物の命をつなぐ活動を行ってきた記録である。 
 「『杜』とは『この場所を 傷めず 穢さず 大事に使わせてください』と人が森の神に誓って紐を張った場」本編に登場するこの言葉が示す通り、本来人は地球や自然に対して、傲ることなく対話をしながら暮らしを紡いでゆくものだと改めて思う作品だった。
 地球の大気と水の動きは、人体の血流にも等しく、人によってコンクリートで塞がれた大地は、穏やかな呼吸ができずにいるようだ。いま自然は成人病のような状態だという。昨今の自然災害の激甚化の要因が人にあることを、自覚しなくてはいけないと感じた。
 一方、行き場のなくなった植物を移植する取り組みも紹介され「命ある限り、諦めない」その大切さも語られている。全ての生きものには、見合った役割があり、循環が可能な生き方をしている。しかし人がそれを歪めている。作品の終盤「命の世界の再生まで関わることは、仕事を超え持久戦で行わなくてはならない。」矢野さんの覚悟が感んじられる言葉だった。
 上映後のアフタートークでは、2012年に矢野さんと出会い、大地の再生活動を行っている根岸大輔さんが登壇。足利市付近も、大地や木が弱っている様子は、他の地域と同じ状態だそう。葉が黄色くなってしまった赤松の再生作業を紹介。そこでは、空気と水がきちんと動くように施工することで、木が甦ることを実感したという。
 その後の参加者との質疑応答では、桜・シュロ・さるすべりの木の手当についてや、山を崩して設置されているソーラーパネルとその山についてなど、多くの質問が寄せられ、自然環境に対する関心の深さがうかがわれた。
 根岸さんは「皆さんで植物を大切にすることが、まちの環境を変えることにつながります。<管理>するのではなく<育む>と意識を変えていくと、植物も私たちに様々なことを返してくれると思います。」とトークを締めくくった。

上映会後のアフタートークの様子
アフタートークゲスト根岸大輔さん
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この記事を書いた人

松尾幸子のアバター 松尾幸子 minimu 編集人・ライター

タウン情報誌の編集を経て、minimu 創刊号(2024年1月号)より、フリーの編集人・ライターとして活動中。地域の皆さんに良質で明るい情報を届けるべく、編集・取材を続けています。
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