足利市はサクラなどバラ科樹木を食い荒らす特定外大生物クビアカツヤカミキリ(以下クビアカ)の一斉駆除を市民参加で行うイベント「クビアカバスターズ」が6月28日、同市田所町の市総合運動場で実施。4歳から66歳までの市民66人が参加して作戦を展開。110匹を駆除した。
クビアカは外来の侵入害虫。幼虫がサクラ、ウメ、モモなどの樹木に入り込み、1~3年かけて内側を食い荒らし被害をもたらす。2016年に足利市内で成虫が、翌年には被害木が確認され、以降拡大が続いており、昨年度末までに3498本(サクラ2639本)の被害が確認されている。
市は被害拡大の状況を受け、2019年に監視の目と駆除の人手を多くするため、独自の駆除策として市民参加の「みっけ隊」を結成。このほか、樹木への薬剤注入や薬剤散布などの防除策を行っているが、被害は同年度から22年度までの被害急増はおさまりつつあるものの〝高止まり〟の傾向にあるという。
一斉駆除イベントは
22年度から開始。初回、2回目は旧袋川沿い、3回目から総合運動場に場所を移した。今回も虫取り網を持った子どもたちや家族連れが集結。開始と同時にあちこちを駆け回り、木をよく観察しながらクビアカを捕まえ、捕獲袋に収めていた。
捕獲数に応じて表彰もあり、今回は群馬県から初参加し、17匹を捕獲した酒巻優衣さん(中学2年)がチャンピオン。地元でも駆除した経験があるといい「スマホで今回のイベントを知り、参加しました。まさかこんなに獲っているとは思わなくて驚きです」と話した。集計中は市内在住の70歳2人でつくフォークデュオ「アイランズ」が自作した「みっけ隊テーマソング」が初披露され、会場を和ませた。
市の担当者は「市民みなさんに関心を持っていただくイベントは継続して実施していきたい」とし、「同様のイベントが各地に広がっていけば駆除効果も高くなると思う」と期待を込め、話していた。


