現地説明会に多くの市民・法楽寺園地遺構確認調査の成果を解説

 足利市教育委員会は、源姓足利氏三代目の義氏が創建した同市本城三丁目の法楽寺周辺で実施している同寺跡園地遺構等確認調査(第6次)の成果を公開する現地説明会が1月14日、同所で行われ市民ら100人ほどが来場。配布された資料を見ながら発掘を担当した職員の「園地は東西50㍍以上の規模があった」という説明を真剣な表情で聞いていた。
 同寺は1249年に義氏が創建。織姫山の東山麓に位置し、広大な園地(阿弥陀が池)を持つ浄土庭園が広がっていたとされている。幕末期に田﨑草雲が「正義山之図」として園地の様子を描いているが戦国時代や江戸時代後期の火災で当時の伽藍も含め、資料も焼失し、発掘調査の実績もなく詳細は不明の状況だったが、2017年の試掘調査で園地の堆積土が確認されたことから、同寺跡の保護を図っていくため翌年度から遺構の情報を得る目的で確認調査を行っている。
 21年度の第4次調査で初めて園地西側の一部を確認。今年度は昨年10月から東側の調査を行ってきた。東岸は発見されなかったものの池底が確認され、池は東西50㍍以上あることが明らかになったほか、15世紀ころに池の回収が行われた可能性があることも確認できた。
 一方で西岸の最上部(標高38㍍以上)と東側の池底(同35㍍)の高低差が3㍍以上もあり、斜面の地形でどのような方法で水位を確保しながら池を作ったのかが新たな〝謎〟として浮上。今後の調査の課題となった。
 また調査では池が埋め立てられ水田、さらには宅地となる過程が確認できたほか、池底下から古代の遺物も出土し、同寺創建以前の歴史を紐解くうえでの貴重な発見もあったとしている。
 説明会当日は、開始予定の30分以上も前から来場する人もいて、調査現場や出土物などを熱心に見学。郷土の歴史への関心の高さをうかがわせた。

多くの市民らが訪れた法楽寺跡園地遺構等確認調査の現地説明会(足利市本城三丁目で)
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