足利市は7月29日、第4回災害(風水害)時における情報伝達訓練を同市本城三丁目の同市役所で約60人の市職員と国、県などの関係機関、情報を受け取る自治会役員などが在宅で参加した。
同訓練は2019年10月の台風19号で同市内が被災したことを教訓に的確な情報の受発信や関係機関との連携強化などを目的に20年から開始した。
4回目となった今回の訓練は2年前から導入した災害情報共有システム、防災情報電話一斉伝達システムなどの防災関係システムの活用や河川管理者(国土交通省渡良瀬川河川事務所)と災害対策本部長(市長)のホットラインで防災情報を的確に収集し、災害対策本部の指示・決定事項を共有して住民へ避難情報などの伝達を迅速に行えるようにするなど職員の災害対応力向上、関係機関との連携強化を目的とした。
具体的には19年の台風と同規模の台風が襲来した場合を想定したシナリオで避難所開設指示、消防・防災メール、市ホームページやSNSを使っての市民への情報発信、栃木県、宇都宮地方気象台、渡良瀬川河川事務所などからの情報収集、自衛隊への派遣要請、各対応策の指示、台風通過後の被害状況の確認などを行った。
訓練中は「市民から渡良瀬川の水があふれているとの情報がある。確認を」などのやりとりもあり、緊迫感を持って実施された。
講評で早川尚秀市長
は「大変緊張感を持って真剣に取り組んでいた。一方で、訓練実施の中で感じた課題や改善事項もあったと思う。それぞれ課題の解決に向け、着実に改善を重ねてほしい」と述べた。