足利の文化財庭園特別公開 紅葉に彩られた物外軒の庭園と薩摩琵琶の音を愉しむ夕べ

 足利の文化財庭園特別公開が行われていた、11月22日18時30分から、ライトアップされた庭園が幻想的な美しさを放つ物外軒(足利市通り6丁目3165-2)で、薩摩琵琶の演奏会が行われた。

 「物外軒 庭園」は平成20年に国登録名勝地として登録されており、敷地内の茶室は、昭和43年に足利市指定文化財となっている。同茶室は江戸時代から船による輸送で栄えた基地である河岸のあった、足利市内猿田町の萬屋、三代目、長四郎三(ちょうしろぞう)によって明治のはじめ頃に建てられ、明治34年に現在地に移築されたもの。

 庭園は南側の茶室に付随する二重露地と北側の小高い築山と池部分の二構成になっている。紅葉の紅色がライトアップでより際立ち美しい。

 薩摩琵琶の奏者は、千葉県在住の野村洋真さん。同じく薩摩琵琶の奏者である母が、当地を訪れ庭園の美しさに感動したことから、足利庭園文化研究会との交流が始まり、今回の野村さん演奏会に繋がった。オリジナル曲『新藤氏庭園』『物外軒』が演奏され、来場者は琵琶の音色に聞き入っていた。演奏後は来場者より野村さんへ琵琶についての質問の時間も設けられた。琵琶の多くは古典曲で、明治・大正時代に全盛期を迎えたとのこと。奏者の声に合わせて弦を調律し、楽譜も琵琶なられはの形で伝えられている。

 晩秋の夕べ、来場者は贅沢な時間を愉しんでいた。

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この記事を書いた人

松尾幸子のアバター 松尾幸子 minimu 編集人・ライター

タウン情報誌の編集を経て、minimu 創刊号(2024年1月号)より、フリーの編集人・ライターとして活動中。地域の皆さんに良質で明るい情報を届けるべく、編集・取材を続けています。
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