B14年目の快進撃。成るか悲願のチャンピオンシップ出場と夢の頂点へ
バスケットボールBリーグ1部(B1)での4シーズン目を戦う群馬クレインサンダーズが試合を追うごとに強さを見せている。昨季まで勝ち切れなかった相手にもひるむことなく勝利する試合も増え好調を維持して2025年をスタートさせた。クラブ、チームが掲げる目標のチャンピオンシップ(CS)出場とさらなる優勝という頂点へ向け、地域とともに一丸となって突き進む。
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明らかに進化したディフェンス力と3ポイントシュートの精度
ここまでの通算成績は1月12日時点で今季初の7連勝などをはさみ、22勝8敗で順位はCS出場圏内の東地区2位。千葉や島根、東京など昨季まで勝ちきれず苦戦した難敵にも勝利している。今季のサンダーズを語る上で欠かせないのがディフェンス力の進化だ。これは明らかに昨季、広島をチャンピオンに導き今季から指揮を執るカイル・ミリングヘッドコーチ(HC)の意図が浸透しているのを感じさせる。ミリングHCはディフェンスに重きを置く指導で有名。さらに、チームマネジメント能力、選手とスタッフのモチベーションを上げる能力に長け、コミュニケーションを高めていることも結果として結びついているようだ。12月4日、天皇杯3次ラウンドでの宇都宮ブレックス戦ではリーグの東地区1位に対し最後まで集中力を切らさずに堅いディフェンスを継続し、66-46と快勝した。この日は個々のハードワークによる堅い1対1に加え、スイッチディフェンスを織り交ぜる多彩さも発揮、チームが理想とするディフェンスを感じさせた。選手たちにとっては自分たちが取り組んでいるディフェンスに、より自信を深めた大きな価値ある勝利となったようだ。
もう1つ、昨シーズンからの目に見える変化が3ポイント(3点)シュートの精度だ。昨シーズン、サンダーズは総得点に占める3点シュートの割合がリーグで21位と低かったが、今シーズンはリーグ3位と大幅に上昇しており、3点シュートを得点源にしていることが分かる。選手別の成功数を見ると、藤井祐眞がリーグ3位となる75本、細川一輝が72本で4位と続き新加入の2人に加え、辻直人が64本で8位につける。ベスト10にサンダーズが誇る3点シューター3人が入っていることでも補強の狙いが当たったことが表れている。
古巣のサンダーズで輝きを見せる3ポイントシューター
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今季、要所要所で勝利を引き寄せる3点シュートを決めているのが細川一輝だ。細川は187㎝92㎏のシューティングガード。岩手県出身の27歳で上武大学時の2019年に特別指定選手としてサンダーズに入団し、Bリーグの舞台を経験した。その後、
2020-21シーズンから京都ハンナリーズで2シーズン過ごし、2022-23シーズンより三遠ネオフェニックスに入団、今季から古巣のサンダーズに加入した。
第6節の滋賀戦では前半だけで4本の3点シュートを決めて試合の流れをつくり、102-65の100点ゲームに貢献、第14節の島根戦では84-84で迎えた第4クオーター最終盤で放った3点シュートがリングに吸い込まれるように決まりブザービーターとなり87-84と劇的勝利を収めた。チームからの信頼度も増している細川だが感情を大きく表さないプレースタイルや物腰が柔らかな語り口は彼ならではだ。しかし、その中に、チームの期待に応えるべく常に安定感を考え集中している熱い思いを感じさせる。
(文・松本純明 写真提供・Bリーグ)
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