足利市福富町の御厨神社で、大釜でかゆを炊き、その年の農作物の豊凶を占う神事「御筒粥(おつつがゆ)」が1月12日に行われた。境内には氏子や見学者が集い、かゆが炊き上がる様子を見つめていた。今年の結果は「ここ数年では一番の豊作」となった。
同神事は江戸時代から300年以上続くとされ、1996年に市指定民俗文化財となった。大釜に米と小豆一升、さらに占う農作物の品目分としてアシの筒31本を束ねて入れ、地域住民らが持ち寄った正月飾りやお札などを燃やしてかゆを炊く。炊き上がった際に筒の中に入ったかゆの量で農作物の豊凶を判断する。
神事は同地区の氏子が担当。この日も氏子が白い装束に身を包んだ白丁となり釜番。現在、同神事を行う氏子に農業を営む人はいないそうだが「伝統行事を絶やしていけない」と継続しているそうだ。
約3時間かけて焚き上げたかゆの中からアシの束を取り出し、総代長の末吉和美さんと宮司の小堀巧人さんが筒の中を確認し、結果をしたためていた。
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