足利市月谷町の中河原薬師堂で地元が所蔵する「地獄変相図」が8月16日、5年ぶりに開帳され、多くの参観者が足を運び、同図に見入っていた。
開帳されたのは閻魔王、泰広王、変成王、五道転輪王など地獄十王の図10幅と閻魔王の本地とされる地蔵菩薩図1幅。同図は江戸時代の作と伝えられているが作者や詳細な年代は不明。描かれて以来、毎年1月16日と8月16日に戦時中も含め、欠かすことなく開帳されてきたが、新型コロナウイルス禍で中断を余儀なくされていたが、今回、地元住民の熱意もあり復活した。
同図は十王による裁判の様子が細密に描かれている。開帳当日は同町在住で郷土史家の中島太郎さん(62)が参観者に各図について詳細に説明。中島さんは「変相図各所に修復の跡が見られ、大事に継承されてきたことが分かります」と話していた。次回は1月16日の開帳が予定されている。
5年ぶりに開帳・中河原薬師堂の「地獄変相図」
