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渡良瀬滑走路 Gate : 40

2025 5/20
渡良瀬滑走路
2025年5月20日
私たちの周りにはたくさんの「目」がありますね。

自分の「 外見 」について。

 突然ですが皆さん、自分の「外見」についてどう思いますか?

 顔や体型、髪型や服装など「外見」と言っても捉え方は沢山ありますが、先ずこの単語を聞いて思い浮かべるのは、毎日鏡の中で向かい合っている「顔」ではないでしょうか。

 この仕事をしていると、「格好いいですね。」「若く見えますね。」「顔が小さいですね。」等々、色々「外見」に関してお褒めの言葉を頂きます。

 ではそう言われている僕本人は自分の「外見」に対してどう思っているのか。

 これは人それぞれ性格にもよると思いますが、正直僕自身、鏡の前に立つ時の心持ちは皆さんと何一つ変わらないと思います。

 まじまじと鏡の中に映る何年も見慣れている自分の「外見」=「顔」を目の前にして、容易に目に入ってくるのは気になる所ばかりです。

 最近自分のソーシャルメディアを更新する際に実感した事がありました。

 僕はこれまで、自分をソーシャルメディアでプロモーションするのがとても苦手でした。正直、今でもそうです。

 周りでこの仕事をしている友人のフォロワー数は平均で10万人近いですし、この間ジャカルタで一緒に賞のプレゼンターをした女優さんなんてフォロワー数が1760万人でした(2025年時点で東京の人口が約1400万人です。それ以上です。すごいですよね)。

そういう人たちの投稿を見ていると、

「みんなすごくカッコいいなぁ。」 

「載せてる写真が全部オシャレだなぁ。」

「センスがあってうらやましいなぁ。」

 スマホの画面を見ながら何度もそういったことを思います。

 

 仕事柄、僕自身も自分で出演した作品や宣伝を投稿するのですが、はたまた、いざ自分の投稿する写真や動画を選ぼうとすると、

「なんだか一枚も良い写真がないなぁ。」

「笑い方が変かなぁ。」

「みんなが思ってるほど実際はカッコよくもないからなぁ。」

等々、毎回無理して候補を選んでいるといった様な事がほとんどです。

 そんな中、ドラマの撮影現場でとある俳優さんと共演する機会がありました。

 その俳優さんはソーシャルメディアも自分の得意分野としてとても積極的に活用していて、たくさんのファンの方からの支持を得ていました。

 僕とは全く真逆な取り組みが正しくできていて本当にすごいなぁと感心していたのですが、撮影が進むにつれて交流が生まれ、僕が不得意なソーシャルメディアについても一歩踏み出して色々と聞いてみることにしました。

 そんな経緯もあり、撮影後も僕が何かを投稿する際に、その都度僕が選んだ写真や動画について意見を聞いてみる事にしました。

「使えそうな写真がこれしかないんだけど表情が変かな?」

「この時のヘアメイクあまり良くないよね?」

「何だか老けて見えるかな?」

 ソーシャルメディアを得意分野として実績を出しているその俳優さんの率直な感想を聞くために、僕の中にあるちょっとした恥は捨ててこういった自分の気持ちもオブラートに包まずに毎回直接質問を投げかけてみました。

 そうしたところどうでしょう、

「どこが変なの?とても格好いいじゃん!」

「ぜんぜんそんな気にしてる風には見えないけど。」

「全然変じゃないよ!この写真使わないなんて勿体無いよ!」

 予想もしていなかったこういった返答が、毎回返ってくる結果となりました。

 “そりゃ仕事でメイクも服装もきちんとしていて映るんだから、他の人の写真写りとは訳が違うでしょ”そう思う方もいるかもしれません。

 ですが、心の中の自分に対する“コンプレックス”や“ものさし”という基準でいうと、これらの回答は本当に僕にとって全く想像していない、目から鱗の真逆の発想の意見だったんです。

 最初は気を遣ってくれているんだろうなと半信半疑のままな部分はあったのですが、そういったプロセスを踏んでいく中で、自分の標準値はひとまず横に置き、もらったアドバイスの返答を素直に受け入れて「自分の外にある評価」をファンの方々に見せてもいい正しい標準値として写真や動画を投稿していってみる事にしました。

 その結果、前より自分自身の世に出す「外見」に対する標準値も徐々に下がっていき、以前より軽い気持ちでストレスも減った状態でソーシャルメディアとも付き合える様になりました。

 今までSNSに触れるのすらポジティブに捉えていなかった自分にとって、ほんの少しかも知れませんが苦手としていたものとの距離感が少し縮まったのは、心理的にとても大きな変化でした。

 言い換えれば、今回の一件が良いきっかけになり「自分の主観」を一旦横に置くという事を体験した事で、結果的に少し自分自身のコンプレックスも一歩越えて、自分で自分自身に対するある部分を許してあげた様な感覚を経験できた、と言えるかも知れません。

 こういった一連から、僕は自分が思っている「主観の標準」と他者が思う「客観の標準」の間には、自分自身が思っているより想像以上のズレがあるという事実を実感しました。

 

 この主観と客観のズレは、今回テーマにした「外見」だけに限ったことではない可能性がとても高いと思います。

「この服ちょっと派手だから買うのやめようかな。」 

「こんな質問したら笑われそうだからやめておこう。」

「こんな趣味に凝り出したら大人げないかな。」

 せっかく自分の心が動いたアクションに、自分の主観のものさしのみで蓋をしてしまってはもったいないです。

 自分の中だけで完結せずに、たまには心のままに動いてみたらいつもの日常が少し変わるかもしれない。

 そういった一粒一粒の変化が板についてきたら、自然と日常の楽しみが増えるのかも知れませんね。

ふくち ゆうすけ

1984年足利市生まれ。俳優。
20代を東京、欧米で過ごした後、独学で中国語を修得。現在台湾、シンガポール、中国、日本を拠点に活動、その各国に主演作品を有している。近年、自身の水彩画やエッセイなどの創作が注目を集め、書籍出版や連載、講演等の依頼へも積極的に参加している。

studio@yuwiyuwiyuwi.com
instagram

渡良瀬滑走路
コラム 俳優 福地祐介
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