春期 企画展『北碑と南帖ー中国南北朝の書』が、4月29・30日の両日、華雨蔵珍之館(足利市田中町907-6)で開催された。同館は、1989年に公益財団法人アンタレス山浦財団を創設・理事長に就任した故山浦啓榮氏が、中国歴代の名碑名蹟の拓本約2,000点収蔵するため1991年に建設したものである。学術上の価値も高く、また書道の手本としても極めて貴重な文化遺産を収蔵している。
同企画展は、京都橘大学教授・大阪大学名誉教授の堤一昭氏の監修により、書家にとってはメジャーなテーマである、中国・南北朝時代(5世紀中頃から6世紀末)の南北の書の違いをあらわす言葉「北碑と南帖」をテーマとした、拓本や史料が展示された。
「南帖」の展示では、音楽家でいうならベートーヴェンに匹敵する、王羲之(中国の政治家・書家/303-361年)の『玉虹鑑真帖』と『玉虹楼法帖』の2つに載る、美しく整った作品を紹介。「北碑」の展示は、力強い書の代表として『鄭義下碑』などを紹介。「北碑と南帖」が対比できる形の展示となっている。さらに、今回は『張猛龍碑』の表裏の拓本に加え、サイド撮影した(特別な許可を得たもの)写真を展示。これは同企画展の前に、同館館長の高久保豊氏が山東省・曲阜を訪れ撮影。このときに同地で聞いた話も一部紹介していた。同館でしか見ることのできない史料を目にする貴重な展示となっていた。




