150年以上途絶えていた『足利学校打』が甦る再現プロジェクト・公開鍛錬で復活!

 3月28・29日の2日間、昌平町ポケットパーク(足利市昌平町2342)で、刀匠 工藤将成氏による公開鍛錬が開催された。同事業は、両毛地域における刀剣文化の啓蒙・促進のため、足利市文化財愛護協会・足利刀剣文化研究会が主催し行われたもの。『足利学校打』は江戸時代まで、足利学校の周辺で鍛えられた刀剣の通称。この度、刀鍛冶による製作過程の一部が再現された。
 昨年、初回の公開鍛錬が開催され、今回は2回目となる。前回は足利市立美術館開館30周年『山姥切国広展』の会期中に行われ、全6回で約1,000人の刀剣ファンが集まった。今回は『現代刀工が挑む 足利学校打 再現プロジェクト』とし、足利学校打と銘を刻んだ刀剣(剣 白山吉光写し)を仕立てる。鍛錬を全4回披露し約500人が観覧。さらに各回10人・合計40人(事前予約)が相槌体験を行い、レクチャーの後3kgある槌を打った。
 鍛錬は、炉の中で溶けだした鋼を取り出し、金敷に乗せて大槌で叩く作業。通常は光を落とした屋内で、鋼を入れた炉の炎の色を見ながら行うもの。横座(よこざ:火床で鋼を見ながらタイミングを管理する役)には工藤氏が着き、そのほか鍛冶スタッフとして、光綱(ジョハン・ロイトヴィラー )氏、宇賀神一三氏、天利梅翁氏が先手(さきて:大槌で叩く役)などを務めた。公開鍛錬は屋外の光の下で行うため、炎の色を見極めることが大変困難だという。真っ赤に焼けた鋼が、先手の降ろした大槌によって火の粉を飛び散らすさまを観覧者もジッと見守っていた。
 刀工による鍛練の後行われた、相槌体験の参加者に感想を聞くと「この公開鍛練の開催をSNSで知り、仙台から親子でやってきました。実際の槌はずっしりと重くて驚きました。打った瞬間、鋼が柔らかく広がる感覚が伝わってきました。」と興奮気味に語っていた。
 同会の奈良孝太郎代表は「2024年に刀剣山姥切国広を取得したことを受け、一昨年当会を立ち上げました。刀剣を単なるブームに終わらせるのではなく、両毛地域での刀剣文化の普及・定着を目指しています。そして昨年の公開鍛錬に続き、2回目を実施することができました。今後も年に1回のペースで開催したいと考えております。刀剣文化に触れるきっかけとなり、関心を持っていただけたら幸いです。また、今回打った鋼は、来年には<白山吉光写し>として仕上がってくるので、公開できればと思っています。公開鍛練の実施は活動の第一歩でありロマンです。」と刀剣に寄せる思いを語った。

鋼を半分に折り返す鍛練の工程<折り返し鍛練>
刀の元になる玉鋼
刀匠 工藤 将成 氏
鍛冶スタッフよる鍛練の様子
参加者による相槌体験の様子
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この記事を書いた人

松尾幸子のアバター 松尾幸子 minimu 編集人・ライター

タウン情報誌の編集を経て、minimu 創刊号(2024年1月号)より、フリーの編集人・ライターとして活動中。地域の皆さんに良質で明るい情報を届けるべく、編集・取材を続けています。
逆境には強いが涙腺は弱い。スポーツジムが憩いの場です。
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