MENU
  • イベント情報
  • 週刊渡良瀬通信
  • 街トピ
  • 掲示板
  • 編集日記渡良瀬通信編集室から両毛地域であった出来事を発信しています。
  • 特集
  • テーブル上の季節
  • 渡良瀬滑走路
渡良瀬川沿い両毛地域のホッとする情報を発信しています。
minimu digital
minimu digital
  1. ホーム
  2. 私の一冊
  3. 私の一冊 | ウディ・ガスリー・ストーリー

私の一冊 | ウディ・ガスリー・ストーリー

2023 2/23
私の一冊
2023年2月24日
目次

ウディ・ガスリー・ストーリー

(ヘンリエッタ・ユーチェンコウ=著 三井徹=訳 ブロンズ社)

 「お前は欲がないから、心配だよ」
 40年くらい前、30歳を過ぎて新しい仕事を立ち上げようとしたとき、母に言われた。それ以前、20歳のころから当時の若者の間で起こったフォークブーム。その真っただ中に身を投じ、自らつくったフォーク団体にはあっという間に200人くらいの会員が集まった。我が家には毎日10人近くの若者が押し寄せ、中には勝手に居候を決め込んだ者まで。母は仕事が終わるとそんな連中にお茶を入れたり、時には食事をつくってくれたりしていた。そのころの小生といえば、定職につかない代わりに、物(金)欲もなくて、生活するのに最低限必要なものがあればそれで十分だった。
 予言は外れてはいなかったと思う。母は亡くなるまで小生のことが気掛かりだったに違いない。それでもここまで仕事を続けてこられたのはカミさん(妻)のおかげ、別の道を歩んでいれば、とんでもない苦労は掛けなかったかもしれない。
 当然だが、40年の間には幾度となくめげたり萎えたこともあった。そんなときいつも手に取ったのが、アメリカの第2の国歌と言われた『わが祖国』をつくったプロテストソング(※)の先駆者ウディ・ガスリーの伝記『ウディ・ガスリー・ストーリー』だった。ウディは7年前にノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランが多大な影響を受けた人として知られている。この本のあとがきに、ディランがつくった『ウディに捧げる歌』が記されていて、時に、この詩の最後のフレーズに涙するのである。~ぼくがおよそ口にしたいと思いそうにない言葉は《ぼくだって辛い旅をしてきたんだ》~
 リタイア後、断捨離に精を出して小さくなった本箱で、相変わらず存在感を見せている一冊だ。
(※)政治的抗議のメッセージを含む歌の総称

読者投稿/無用舎

私の一冊
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • パッチワークキルト作家 池山 芳枝 さん
  • 渡良瀬通信 今月の一枚2023年3月号

この記事を書いた人

watarasebc

関連記事

  • 私の一冊 | 地球の歩き方日本 2023~2024年版
    2023年5月25日
  • 私の一冊 | 葉っぱのフレディ ―いのちの旅―
    2023年3月27日
  • 私の一冊 | 今だから感じてほしい、戦争体験の一冊
    2022年11月21日
  •  再読で行きついた味な一冊 『アフリカの日々』
    2022年9月20日
  • ホーム
  • 運営会社
  • お問い合わせ

© minimu digital.

目次