この連載「Makers of Melody」では、栃木県近郊で活動するシンガーソングライターを紹介します。どのような瞬間に曲が生まれ、どんな想いを込めて歌っているのか。その創作の背景と人となりに迫ります。
栃木県出身。バンド mamaLemon のギターボーカルとしてステージに立ち、ソロではシンガーソングライターとして弾き語りもこなすサキさん。
レスリング、ドラム、ギター、そしてイベント企画まで——偶然が偶然を呼んでたどり着いた今は、「楽しいこそが全て」。
ドラマー、シンガー、イベンター。その活動の先にあるものとは。
サキ:私情報量多いですよ(笑)
いきなり来ますね!それは何か手広くやっている感じですか?
サキ:いや、違うんです。人生の情報量が多いです!もともとレスリングをやっていて、それがやりたくて16歳で上京して、高校・大学にも通ったんですけど、怪我と病気で辞めちゃって。その時にやることがなくなってしまって、たまたま大学の隣の席の先輩が「部活辞めちゃって暇なの?うちの部活来ない?」って声をかけてくれて。行った先が軽音楽部でした。
そこでギターボーカルを?
サキ:初めはベースです。ピアノ以外の楽器を弾いたことがないのに、その時いきなりベースを渡されて、「学園祭でベースがいないから弾いて!」みたいな。それで3ヶ月後の本番で、ガガガSPの曲を弾きました(笑)
その後、学年も上がってベースも楽しくなってきたし、「バンドでもやろうかな?」って時に、ドラムが叩ける先輩がいなくなっちゃって。そしたら「ジャンケンで負けた人がドラムやれ!」ってことになって…負けました。
じゃあドラムを初めたきっかけというのは?
サキ:ジャンケンに負けたからです(笑)

曲作りって、最初はどうやって始めたんですか?
サキ:大学を辞めたあとに音楽の専門学校に行ったのですが、そこで曲を作る課題があって、提出したら先生に褒められて。パソコンとか全然分からないんですけど、音源化してもらったりして。その経験が大きかったですね。その後、ドラムとして加入したバンドで作詞作曲をしていました。そこでは自分で歌うつもりは全然なかったですね(笑)
じゃあ、そこからギターを持つようになったのは?
サキ:そのバンドに一区切りをつけて栃木に戻ってきてから、またバンドでドラムをやろうと思ったんですけど、「どこの誰だか分からないのは良くないな、自分のことを知ってもらうのが先だな」って。でもドラムってスタジオじゃないと叩けないし、「何でもやらなくちゃ!」って思って始めたのがギターです。いろいろ曲を作っていくうちにメンバーが見つかって、バンドが出来そうだったんです。
でき“そう”だった?
サキ:そう。メンバーも見つかって、宇都宮で活動しようとした矢先に私が事故にあっちゃって。半年くらい何も出来ない時期があって、その間にメンバーが全員別のバンドに引き抜かれちゃって。「これは大変だ!どうしよう!」って困ってる時に、「足利にいいライブハウスがあるよ」って友達からオススメされて。そこでPICOの石原さんと出会って、今のバンドメンバーともそこで知り合いました。
じゃあそこでギターボーカルデビュー?
サキ:いえ、そのバンドはドラムです(笑)
全然歌にたどり着かない(笑)
サキ:そうなんです。その後、そのバンドで何度か出演したんですけど、急遽ボーカルが出られないって時に、ギターボーカルとしてステージに立つことになったんです。
急展開ですね!ちゃんとライブできたんですか?
サキ:それが、石原さんがその日のライブを絶賛して。「めちゃめちゃ良かった!今までいた?」って(笑)後ろにいたのに!そこから色々認めてもらって、自分を取り巻く状況が変わってきたりして。だから私がドラムを出来ることを知らない人が、多分多くて。「ギターのサキちゃん」って思ってる人が多いんですけど、元々のルーツはそういう流れがあって。ギターは一番最後なんですよね。
元々ギターボーカルやる予定はなかったんですね。偶然が重なって今に至る、と。
サキ:そうですね。やるつもりなかったのに、急に前に出されてスポットライト浴びせられて(笑)でも、こうやって何でもやってるうちにたくさん友達も出来て、「バンドやろう」ってメンバーも現れて。お誘いとかも増えたりして、楽しいイベントに呼んでもらったり。実は6月19日のSANO ACOSTIC FESで、私の次に出演した方(ブレイクコニタさん)が大学の時に軽音部に誘ってくれた先輩なんですよ!10年ぶりくらいの再会でした。
これまたすごい偶然!

足利で開催する大規模サーキットライブ“月と桃の冒険フェス”
サキさんといえば月と桃の冒険フェスがありますが、今年もすごい事になっているそうですね。
サキ:11月23日の月桃フェスは、なんと70組の出演者が集まります!
多いですけど、全部厳選された70組です。足利にスポットライトを当てたくて、地元の出演者もたくさんいます。
月と桃の冒険フェス TSUKIMOMO MUSIC FES (通称:月桃フェス)とは?
足利市内複数会場(moonshine studio、SOUND HOUSE PICO、tabitabi、ロック酒場ガニメデ、Cafeアンヌ、Jazz Ornette)で開催されるサーキット型音楽イベント。ジャンルや世代を超えたアーティストが集い、謎解きやスタンプラリーなど参加型企画も行う。
過去開催は、2024年4月27日(第3回/moonshine studioほか、約20組出演、多彩なジャンルと謎解き企画)、同年11月2日(第4回/市内複数会場、51組出演、雨天対応で全会場実施)で、年々規模を拡大。2025年11月23日開催予定の第5回は上記6会場で約70組が出演予定。
詳しくは記事下のInformationより。
足利で70組も集まるなんて、今までなかったんじゃないですか?
サキ:全員、自分一人でブッキングしました!もう頭おかしくなるかと思いました(笑)。
今回はホテルにもお願いして、宿泊プランも作ってもらったんです。
それもご自分で?
サキ:はい(笑)
詳細は「月と桃の冒険フェス」公式アカウントで見られますが、足利市内の5つのホテルと連携しています。

月桃フェスは今度どんな成長を見せますか?
サキ:月桃フェスはあくまでも通過点で、その先には足利のスクランブル交差点でフェスを開催することです!月桃フェスを立ち上げるときに、moonshine studioの渡辺君と「やりたいこと」を共有して、一緒に突き進んできました。
スクランブル交差点でライブなんてやったら話題になるんじゃないですか?
サキ:あそこでフェスをやりたい!それこそ100組で同時にライブをやったら、日本中で話題になりそうじゃないですか!? 本当にいい人たちに恵まれているので、5年後くらいには実現したいですね。
今までの感じでいくと、いつの間にか出会いを引き寄せてあっさり開催してるかもしれないですね!
楽しみにしています!
サキ:ありがとうございます!
誘われるままベース、ドラム、シンガーソングライター更には大規模イベントを主催するイベンターへと歩み続けるサキさん。
とにかく楽しい方へ、参加したみんなが笑顔でいられる場所を作っていきたいと語る。
月桃フェスの先にある大きな野望へ突き進んでほしい。

Information

TSUKIMOMO MUSIC FES
月と桃の冒険フェス vol.5
2025年11月23日(日)
10:00〜20:30
開催会場
moonshine studio
SOUND HOUSE PICO
tabitabi
ロック酒場 ガニメデ
Cafe 杏奴
Jazz Ornette
出演アーティスト
ハローズ
mamaLemon
Nansa≒Nanne
ローランズ
ぱるてのんず
まなミンゴぐりt@ろ
屋代実紅
TRIP END
SPIKE OUT
BEZZZVUKA
ジンジャー鈴木
イチカワチヒロ
大勝雅之
柚希
ユウジキクチ
サイレンジリキロウ
月井健
SAKEBI
フトイーズ
Nothing Mark Shoes Revival
大森優
としお
HasSAKU
小玉貴之
ishidama
fumiharu.
EGAMIY
Taaaagi
Dead Head Land
SCREW-THREAT
サキ
森康晃
えんさん
Hyu
おやこどん
WatanabeFamily
ネモトリョウタ
mamio
天麻音ひぃ
Director’s cut
みのる(サニークラッカー)
ツチハシノブユキ
Comory
平原ケイシ
奏音
金成亮
SOUNDBAG
タイツキのYaji
Theシーチキンズ
シン・吉野
葉月那央
谷岡快彦
君島大輔
カノメヒロユキ
yurie♪&マーシー
益子里菜
戸谷光
雷一家
小林大輔BAND
アンナ・マレェ
geru
山とケ
すみたろう。
朝日駿
鈴木爻
沼田謙二朗
佐藤達生
小型MUSHA×KUSHA
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林イッペー
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