コンセプト
足利に来て2年。これまで多くの素敵な場所を訪れ、また多くの素敵な人に、ここ足利で出会っていきました。とても貴重な経験ができており、足利に来ることができて、とても良かったと感じています。
「足利はそんなたいそうな町ではない」と謙遜する声をこれまで何度も聞いてきました。
足利は田舎で魅力もそれほどないと評する声を特に地域住民から聞いてきました。
その度に、本当にそうなのかと疑問を感じることが多々ありました。きっと移住者にとっては新鮮で光輝くものが、地域住民にとっては当たり前で、ゆえにかすんで見えているから、足利を低く評価するのではないかと考えています。
移住者から見たら足利はそれほど悪くない、いやむしろ素晴らしいということを伝えていきたいと考えています。
足利は『なまらえーがね』 (=とても良いね) (「なまら」は北海道方言で「とても」の意。「えーがね」は広島方言で「良い」の意。) と改めて足利の魅力を見つめかえせられるようなそんな記事を移住者目線で書いていきたいと考えています。

足利 First Impression

転勤で広島から足利に行くことになったのだが、それを知り合いに告げると、
「あぁ、フラワーパークで有名なまちね」と言われたことをとても覚えている。
全国的にみると足利はフラワーパークで有名なまちなのかもしれない。日本で唯一、アメリカのCNNより「2014年の世界の夢の旅行先10カ所」に選出され、また10月下旬より開催されるイルミネーションでも高い評価を受けている。これほどまでに高い評価を受けているものは他に足利にはないように思う。
また仕事柄、これまで一度も足利に来たことのない方と話す機会もあるが、決まって、みんな足利で知っているものにフラワーパークを挙げる。
しかし足利の魅力はフラワーパークだけなのだろうか?
フラワーパークも、もちろん素晴らしい魅力だと思う。
しかし、それを入り口として、他の魅力に触れあったことで足利を好きになった人は、きっと想像以上に多いように感じる。
それに、長くこの足利で暮らそうと決めた人はなおさらそうであると思う。
しかもそれは鑁阿寺や足利学校といった、他の“観光資源”ということでもなく、もっと素朴で身近なものであるように思う。少なくとも自分はそうであった。
足利のまちを南北に分かつように流れるわたらせ川。この川がまちを二分することによって、いわゆる河北と河南で異なる表情が浮かぶ。地元の人からすると当たり前なのかもしれないが、足利に来たばかりの時は、川をはさんでまちの雰囲気が変わること自体が興味深かった。
都会の人が憧れる田舎暮らしも里山地域には散見される。街の側面と里山の側面とが混在するのも素敵な魅力のように思う。
また、地元北海道と広島との比較にはなるが、足利のゆうやけはとてもきれいに感じる。わたらせ橋にかかる夕日、鑁阿寺に落ちていく夕日、そのどれをとっても、ほかの地域にはない美しさがあると感じる。
こうした魅力は身近すぎて住んでみないと分からない良さがゆえに、観光客に伝わりにくいといえば、そうなのかもしれない。でもそれだけ密着したものだからこそ、一度分かるとハマってしまうのかもしれない。そして私を含め、そんな魅力にハマってしまった人にこれまでも、これからもこの足利で出会っていくのだと思う。