海外の方との七福神巡り
少子高齢化に伴う、移民受け入れ問題はいまや日本全体の問題となっており、海外の方との接し方は日本と直近の課題とまでなっている。足利には既に多く、海外の方が居住しており、特にスリランカから来られている方が多いそうである。筆者自身でいうと、以前、移住支援員という市の仕事をしていたことから、そうした海外の方と触れ合う機会は多かった。
足利市のコミュニティFM局「FM DAMONO」でも、そうした背景を踏まえ、「The Foreign Escape with DJ Zane」という足利市内でALTを行う方を、パーソナリティに迎えた全編英語の番組を作成し、海外の方に向けて、防災情報や各種イベント情報などを発信している。足利においても、海外の方との関わりは少しずつ増えてきているように感じる。
足利に住む海外の方と接していると、実に足利やひいては日本の文化や歴史に対して興味が高いことに驚かされる。そもそも移住先として日本を選択されたことからも興味は高いのかもしれないが、全く異なる文化圏から来たことで、より日本を新鮮に体験しているからこそ、様々なことに興味を抱くのかもしれない。
海外の方が自国に大変興味を持っていただけることは、とても光栄なことであるが、その反面、そうした好奇心を満たせるほどに、我々日本人が受け答えできていない現状も感じる。特に言語の壁が著しく、我々で英語を話せる人があまりにもいないために、彼らが知りたいことを十分に説明できていない現状があった。日本を、そして何かのご縁で住むことになった足利を、興味はあるけれど、素通りせざるを得ない状況が彼らにあることが、関わるうちに、段々と分かってきた。
七福神巡りとは、7柱の福の神(恵比寿、大黒天、弁財天、毘沙門天、福禄寿、寿老人、布袋尊)を祀る寺社を巡拝し、「七つの災難を滅し、七つの幸福を招き入れる」ことを願う縁起の良い風習である。全国各地にそのルートは存在し、歴史のまち、ここ足利にも、「足利七福神巡り」は存在する。
足利や日本の歴史を知りたいと思う海外の人に、そうした歴史を感じてもらうために、筆者は「足利七福神巡り (海外版)」を企画し、今年の1月に行った。開催に際しては、日本人向けに足利七福神巡りを行われている「関東観光コンサルタント」の四家さんにも協力していただいた。四家さんにはこの場もお借りして、感謝を述べたい。

鑁阿寺をスタートして、心通院、本城厳島神社、長林寺、西宮神社、常念寺、福厳寺をめぐるこのツアー。これらの寺社仏閣は市内中心にコンパクトにあり、2時間程度で回れる。関東近郊を中心に、そのほかの地でも七福神巡りを行う四家さんも、足利の七福神巡りは非常にコンパクトで回りやすいとお話しされていた。日本人にもとてもおすすめである。
なにより共に回ってくれた海外の人には、様々に学びがあったように思う。彼らにとっては「二礼、二拍手、一礼」のお作法から学びであり、また、様々な寺社仏閣を見ることやその成り立ちを知れたことにはとても満足しているようであった。
彼らからして学びが多かったように思うが、企画をした自分としても学びが多かった。特に同じ仏教徒であるスリランカの方が、寺社を回るたびに、日本との違いを話して下さったのだが、それはとても興味深かった。
また基本的に車移動が多い中で、素通りしてしまう風景に、自らの足で歩めたことも、また異なる足利を見ることができたという意味で、とても有意義に感じてもらえた。
七福神巡り (海外版) を行ってみて、正直、参加人数は2名とかなり小規模ではあったものの、楽しんでいただけたという自信を感じることができた。それは、足利には、海外の方を惹きつけるだけの歴史的・文化的な財産があることを証明することであり、改めて、素敵な街に住んでいるのだと実感できた。
移民受け入れ問題には賛否、様々に意見はあり、これからも議論が続くことは予想される。ただ、何かのご縁で住むことになった海外の方には、日本の魅力を伝えていきたいし、日本に住んだことを後悔して欲しくないという気持ちがある。でもそれを十分に伝えるだけの魅力が足利にもあることを気付けた、そんな七福神巡りであった。



