足利なまらえーがね 11月 | お酒で盛り上がれるまち

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お酒で盛り上がれるまち

 「お酒は20歳を超えてから」という標語はよく聞くが、その通り、お酒はまさに大人の嗜好品である。だから、お酒でまちを盛り上げることは、その地に住む大人を盛り上げることにつながる。

 海外、特に欧米の方と比べると、日本人はお酒を飲まないという印象もあるが、そこには疑問を感じる。確かに、体質的に、そういった方と比べればお酒は弱いのかもしれないが、外では基本的にお酒を飲まない東南アジアの方なども含めて比較すると、総じて、日本人はお酒が好きな様に思う。

 振り返ると、私の故郷、札幌はビアガーデン、札幌ビールで有名であり、また、大学時代を過ごした広島 (正確には東広島市) は、日本三大酒どころの一つで、駅前には日本酒の酒蔵が広がる。そして、現在住むこの足利も例にもれず、ココ・ファーム・ワイナリーのワインで有名である。たまたま自分がお酒の有名なところに関わっていただけなのかもしれないが、全国各地に日本人のお酒好きを表すお祭り・イベントはあると思う。余談だが、ラジオでもお酒の話題はことかかず、盛り上がる。

 ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭に参加したのは、去年が初めてであった。去年から、FM DAMONOでは、収穫祭を現地から生中継しており、アーティストが演奏する台から生放送をする形で会場の様子を伺っていた。

 この日のために、東京からも人が来るというのは聞いていたが、人の多さに驚愕したのを覚えている。開始前からスタンバイしていたが、次々に入ってくる人の多さは今でも覚えている。おそらく足利で3本の指に入るキャパのイベントだと感じた。

 しかも参加者はほとんど全て、もちろん大人。時間が経過し、お酒が進むごとに、陽気になっていく人々。音楽に合わせてシャウトする人から、反対に口をポカンと空けてお昼寝をしている人、さらには、酔ってぶどう畑の斜面を転げ落ちる人までいた。でもみんな楽しそうで、そんな人も笑ってみんなで起き上がらせていた。

 生放送をしているところから、そんな様子を見ていた自分は、お酒のために、全力で楽しんでいる、なかには遠出をしてでも楽しんでいる大人を見て、ある種の異常さを感じていたが、それは広島で行われていた「酒まつり」も考えてみれば同様であった。あらためて日本人はお酒が好きなのかなと思った。

 お酒はオープンな大人の特権でもある。ギャンブルには制限があったり、分煙化が進んだり、もっと言えば、なにかと一般人にもコンプライアンスが求められる世の中で、窮屈さを感じずにはいられない中で、大人が今でも大手を振って楽しめるのがお酒だと思う。

 イベントを仕掛けるのも大人、全力で楽しむのも大人、そんな楽しい空間は、去年その場にいて、お酒を飲まない自分から見ても清々しく、楽しく見えた。子どももそうだが、もちろん大人が元気になること、楽しむことだって、まちの盛り上がりには間違いなくつながる。そう考えた時、お酒で大人が盛り上がる瞬間があることは素敵だと感じた。ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭は足利にとっていい企画だと思うし、お酒で盛り上がれる貴重な機会としても、とても重要だと思う。

 令和になった今でも、
「足利は収穫祭で酒が飲めるぞ、酒が酒が飲めるぞ、酒が飲めるぞ」
を合言葉に楽しんでいけたらと思っている。

 やっぱり日本人はお酒が好きですね。

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この記事を書いた人

藤本 憲 (ふじもと けん) / 北海道 札幌市出身
幼児期を北海道で過ごし、大学進学で広島へ渡り6年間暮らす。
2023年から足利に移り住み、現在は足利市のコミュニティFM局「FM DAMONO」で働く。足利市の地域密着情報を移住者目線でリスナーのみなさんに届けている。

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