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足利100年カルタ「る」

ルラスのニラ

看護師から転身に挑む

 今から4年前の令和2年。東京で看護師をしていた男性が、足利でニラ生産業を始めた。看護師がニラ…? この不思議な転身の主は、桑鶴剛さん(47)。翌年には、障害者雇用の事業所も始めた。ニラと障害者…一体、どういう事?
 桑鶴さんは、高卒で普通に会社員をしていた。しかし持病で入院した時に見た看護師の様子が楽しそうで、20歳を超えてから看護学校に通い始め、そのまま転職。今でも月一回程度は、救急外来の仕事も続けている。
 結婚を機にお嫁さんの故郷・足利に引越し、37歳で「何か始めないと」と勇気を出して独立を決意。栃木県はかつて生産量日本一を誇ったほどのニラの産地なのに、足利ではほとんど生産されていないことに着目し、ニラ農家としての人生をスタートさせた。

障害者就労支援と二刀流

 だが、農業や経営に関する知識もお金も、ほとんどゼロ。一人でやるには時間も体力も足りないが、立ち止まる余裕もない。ニラは「仕事量に対して儲からない」と、やめてゆく人もいる。せめて顔だけでも「Look Up Like a Sunflower」(=ひまわりのように上を向いていこう)と、新会社は英語の頭文字を並べて『LULaS』(ルラス)と命名した。ニラ生産を行う部門の名称は、「Sea’s farm」(海の農場)。福岡出身の桑鶴さんにとって、いつも近くにあった海は、心をリセットする場所だった。足利にも海が欲しい…自分で作ろう!と頑張って、今では温室内が桑鶴さんにとっての〝ニラの海〟だ。「Sea’s farm」で作られたニラは食品工場に出荷され、大手メーカーの冷凍餃子やコンビニ製品に使われている。市内の学校給食に提供したこともある。

 そして「ルラス」のもう一つの部門が、就労継続支援事業所「ふくろう」だ。農業の人手不足問題と障がい者雇用の「農福(農業&福祉)連携」を目指し、「Sea’s farm」で採れたニラの選別作業を行うのが利用者さんの主な仕事。楽しく働ける状況を作るため、桑鶴さんは利用者さん一人ひとりとの日々の会話を欠かさない。
 足利に愛されるニラ農家を目指す桑鶴さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

桑鶴さん(右端)の明るさで、職場は笑顔の輪

取材=若菜恵実・小林菜々子・長嶋優太・室井遥花
[白鴎大学地域メディア実践ゼミ]

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