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足利100年カルタ「の」

「NOVO」ワイン

ココ・ファームの名作

 今から68年前の、昭和30年。足利第三中学校の先生が、入手した山の斜面をブドウ畑に開墾し始めた。その先生の名は、故・川田昇さん。少年時代のあだ名「のぼ」が、後にこのブドウ畑から生まれたスパークリングワイン「NOVO」の名称の由来となった。
 教室の隅で小さくなって、机に伏せて寝ている知的障害の子ども達を、何とかしたい! そんな思いから川田先生が開墾作業で「山開き」という課外授業を始めると、子ども達の目の色が変わった。
 何でも「こころみ」てしまう破天荒な先生は、昭和44年には知的障害者更生施設「こころみ学園」を開園。更にその11年後には、知的障害のある人達も生き生き働ける職場として有限会社「ココ・ファーム・ワイナリー」を設立した。

酵母も園生も個性生かして

 「同情で買ってもらうような物は作らない。ちゃんと美味しい物を」と、川田さんはいつでも本気。その結果、このワイナリーの製品の一つである「NOVO」は、平成12年の九州沖縄サミットの晩餐会で乾杯酒にまで選ばれた。
 同社の理念は「ブドウのなりたいワインにする」こと。ここでは、ブドウの果皮や周りの森や蔵にいる“野生”の酵母によって発酵が行われている。培養された乾燥酵母を加えたマニュアル式管理ではなく、一樽一樽ブドウの声を聴いて自然な発酵に向き合っている。
 「野生酵母って、こころみ学園の園生にそっくりなんだよね」と、ワイナリー取締役の池上峻さんは言う。発酵が早い酵母、遅い酵母。優等生の酵母、何もできないようで、実は他の雑菌が入り込む余地を無くす役を立派に果たしている酵母。酵母にも園生にも個性があって、できる事を精一杯やり、できない事は補い合う。―――そんな中で、「NOVO」も生まれた。

 テイスティングでいただいたのは「北ののぼロゼ」。少し酸味が強めだが、フルーティーでスッキリ! ワイン初心者の学生記者でも、美味しく楽しめた。
 ブドウがなりたいワインになれて、園生が輝いて仕事をし続けられる、ココ・ファーム・ワイナリー。他では味わえない特別なワインが、ここにある。

ワインの栓閉めを体験する記者。これも園生たちの仕事

取材=氏家綾音・若菜恵実・森谷佳保
[白鴎大学地域メディア実践ゼミ]

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