名草イワナパーク
今春10周年で新展開も

今から10年前の、平成25年。国の天然記念物「名草巨石群」の近くに、「名草イワナパーク」が誕生した。私たちが乗ったタクシーも迷ってしまうほどの山奥で、スマホの電波も圏外。去年の夏、初めて取材で訪れた時には街中より気温が2~3度も涼しく、生い茂った木々、山合いを流れる清流、木漏れ日が気持ち良かった。
名草地域の活性化や雇用が広まれば嬉しいと語る芳川茂代表が、自身の還暦を機に地元の仲間7人と「活き活き故郷作り」を掲げて開業した、自然体験型アクティビティ。早速、名称の由来であるイワナ釣りをやってみた。係員さんにコツを聞きながら二度目の挑戦で、取材班3人とも釣ることに成功! 塩焼きにしてもらった味は…「おいしい!」 皮がパリパリで、身はホワホワ。3人とも頭まで完食、大満足だった。
〝名草愛〟が集まり盛り上げ

私たちが楽しんでいる間にも、お客さんの車が何台もやって来た。しかし開業当時の来場客は、年間180人…単純平均したら2日に1人という苦しいスタートだった。それから評判がじわじわ広がって、コロナ前には1シーズン4千人台、そしてなんとコロナ禍でも更に増え、今や8千~1万人ほどが来てくれるようになったと言う。
雨の日、葉や枝などが流れ込んで釣り池に溜まり新しい水が入って来なくなると、イワナは死んでしまう。温暖化で水温が上がることもイワナの生存を危うくするなど、まだ苦労は絶えないが、「名草を盛り上げるためなら!」と遠方から遊歩道や看板などの整備を手伝いに来ている人もいたりして、名草愛の温かい思いがたくさん詰まった素敵な場所になっている。名草に住んで一緒に盛り上げたい人は大歓迎!とのこと。
グリーンツーリズムの拠点を目指して、今年のシーズン入りする4月にはキャンプ場もオープンする予定だ。 (足利ICから車で約16分/4~11月の土日祝営業)
―――ついでにちょっと足を伸ばせば、有名な巨石群。弁財天を祀る神社であることから、ひそかに人気のあるパワースポットなのだとか。私たちも祈ってきたので、詳しくはインスタで!

取材=粂川美菜・森谷祐依・三浦藍香
[白鴎大学地域メディア実践ゼミ]