202112-uraguchi

演歌の脇道

 “人生とはなにか?”。 八代亜紀という歌手はそういう居丈高な物言いはしない。地に足をつけ歌への熱を身体のなかにいったん封じ込め、深い呼吸運動によって声のなかにすこしずつ情念を入れては雪煙のように吐く。歌手人生50年、デビュー記念日(9月25日)にリリースしたベスト盤『ベストヒット50』(「舟唄」新録含)にはそのような集大成が、深み、まろみ、とろみといった感覚として凝縮されている…

若杉 実:足利出身の音楽ジャーナリスト。
雑誌への寄稿、連載をはじめCDのライナーノーツを執筆。CD、DVD企画も200タイトル以上手がける。RADIO-i(愛知国際放送)、Shibuya-FMなどラジオのパーソナリティも担当していた。著書に『渋谷系』『東京レコ屋ヒストリー』『裏ブルーノート』『裏口音学』、新刊『ダンスの時代』。

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