渡良瀬通信2019年12月号-エッセイ

テーブル上の季節・塩見奈々江
冬至の汁粉

我が家では冬の間、大きな薪ストーブを焚いている。部屋は暖まるが、どうせならその熱を料理にも利用しようと、ストーブの上には沢山の鍋が置かれる。私はあまり料理の作り置きをしないのだが、冬の煮込み料理には味がしみて深さを増すものが多く、この時期だけは保存しておく料理がいくつかある。そのひとつが汁粉。